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「母さん!!母さん!!」
普段、あまり動揺や喜怒哀楽を表情に出したり、言葉にしたりしないイタチが血相を変えて駆けてきた時には何事かと、洗い上げたお皿を割りそうになった。
「どうしたの?イタチ」
尋ねるとイタチは私の腕を掴み、「早く来て!!」と私を台所から連れ出した。
顔を真っ青にし、涙が目尻に溜まって今にも零れそうで、彼の必死な姿に動揺しながらも珍しいものを見た・・と思ってしまった。
イタチに連れられて居間に入ると、サスケが泣いていた。その胸元や床が吐瀉物で汚れている。
「母さん・・サスケ・・急におなかが痛いって・・それから・・」
「吐いちゃったのね」
私はサスケの額、頬、顎の下と手をあて、体温を確認する。いつもより熱い。
「風邪かもしれないわね。お腹の」
この歳の男の子によくあることだ。
「イタチ、お風呂場にサスケの着替えを持ってきてちょうだい。それからタオルも」
私はサスケを抱き上げると風呂場へ連れていき、汚れた衣服を脱がせた。
口の周りや手に付いた汚れを温かいタオルで拭いて、イタチが持ってきてくれた服に着替えさせた。
さっぱりして幾分か落ち着いたのか、鼻をすんすんさせながらも私の腕の中でおとなしくしていた。
イタチはまだ青ざめた顔のまま腕の中でうとうとし始めたサスケを見ていた。
「今日はもう遅いから明日病院に連れていくわね。」
私はイタチの頭を撫でてやると、イタチはおずおずと顔を上げた。
「サスケ・・死んじゃったり・・しない?」
「大丈夫よ。すぐ治るわ。ありがとう、イタチ。知らせてくれて」
そう言って抱き寄せて、まだ小さな彼の背中をとんとんと叩いた。すると、珍しく抱きついてきて、「うん」と額を私の肩に擦りつけた。
翌日、診察を終え、家に帰るとイタチが玄関で待っていた。
「サスケは?」
「ただの風邪だって。さぁ、イタチ手伝ってちょうだい」
そう言って私はリンゴの入った袋をイタチに渡した。
「サスケ、口開けて」
今のちゃぶ台でイタチがリンゴのすりおろしをサスケに食べさせてやっていた。昨晩たいそうに吐いてしまったサスケはお腹がすいていたのか、イタチから差し出されるスプーンに齧りつくようにもぐもぐ口を動かしていた。
「お腹の調子が悪いときはリンゴとお水。それが一番」
イタチはコクリと頷き、サスケはぽかんとした顔で私とイタチのやり取りを見ていた。
「あ~痛ぇ~これはアレだな。昨日食ったもんが悪かったな、うん」
「そ、そ、そんな~~~先輩~死んじゃいやです~~~」
「死なねぇよ!!」
デイダラとトビが相変わらずのやり取りをしているところへ通りがかるイタチと鬼鮫。
「腹の調子が悪いときはリンゴと水が一番効くぞ」
すれ違いざまにイタチがそう言うと
「あん?なんだそりゃ」
と怪訝な顔をされた。
「サスケはいつもそれで・・」
「あーーー!!!いらねぇ!!アンタのサスケメモリーほんといらねぇ!!よそでやれ!!」
そう言ってどすどすと外へ出て行ってしまった。
「鬼鮫、腹の調子が悪いときは・・」
「はいはい、リンゴとお水ですね。今度試してみますよ」
「サスケはあれで元気になったぞ」
「そうですか。でも人それぞれですからねぇ」
「サスケ元気かな・・」
「さあ、どうでしょう」
この後、突然リンゴが食べたいと言い出したイタチさんのためにリンゴを買いに行きました。イタチさんはすりおろして感慨深げに食べていました。
ちなみにイタチさんが心配していた弟さんは、先ほどイタチさんが蹴ったり、月読したりしたりしてぼこぼこにしたばかりです。
この人は本当にめんどくさいです。
『干柿鬼鮫の日記』より
しきさんの「暁兄さんと暁メンバーのやり取り~」というのを読んでいて思い浮かんだものをがりがり。しかし、暁メンバーを把握し切れていない私・・いろいろおかしなところがあったらすみません。