100:原作終了後パラレル_兄さん生き返り同居設定 【108企画】式 2013年12月31日 原作終了後、兄さん生き返り設定。木の葉の里で二人暮らし。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 冬の昼前、座敷の畳に巻物を広げていた兄さんの膝に一匹の黒猫を見つけた。 昨夜から降り続く雪が障子戸から薄く透けて明るい。どさん、と庭に植えた南天から雪が落ちる。しかし猫は兄さんの膝の上、間延びした欠伸をするだけだ。 「忍猫、じゃねーな」 どう見ても、ただの猫だ。 兄さんはその辺の路地にいた猫だと言った。 「拾ってきたのか」 「いや、勝手に付いて来た」 「飼うのか」 「そういうつもりはない」 これまでも勝手に上り込んでは勝手に出て行っていると、アンタは本当に頓着をしない。 だからこうして膝の上で好きに振る舞われることも簡単に許しちまうんだ。 ふと、うちはが猫と縁の深い一族だったことを思い出す。 チャクラを与えて忍猫、口寄せになんかは使わないのかと訊いてみる。 イタチは猫の頭を撫でた。猫は喉を鳴らす。 「こいつは裏の路地の野良で幸せだろうさ」 力を持つことが幸福とは限らない。 おれはそうだなと頷いた。 平穏は雪のようにこの辺りに降り積もっている。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- にゃんにゃん。 PR