28:原作沿い 【108企画】式 2013年12月07日 原作沿い -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 日に日に眠りが浅くなる。 だが不思議と思考は澄み冴えた。 術後の布さえなかったら、この兄の両眼は爛々と赤く燃えただろう。 木の葉の里に侵入を果したら、まず一人を斬る。斬り終われば二人目に手を掛ける。 上層部は奥深い。異変有りと知られたら警護はより一層厳重になる。 だから、まず上役を殺す。確実に殺す。 それから火影を手に掛ける。与する上忍も、中忍も、下忍も同様だ。 あの里は斬って捨てるだけの価値しかない。 こんなオレを手傷を負った獣のようだと評する者もいるだろう。だが、傷を負ったのはオレじゃない。兄さんだ。オレの兄さんが手酷い傷を里から負わされた。 また、オレを飢えた獣のようだと言う者もいるだろう。だが、本物の獣は必要以上の糧は獲らない。だから、オレは獣じゃない。 復讐者だ。 オレはよく斬れる刀でいい。里を切り捨てる刃であれば、それでいい。 他にはもう何もいらない。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 兄さんの眼を移植後。この辺りは追々「雨の時に」シリーズで鬱々と書きたいものです。 PR