67:木の葉平和パラレル(暗部18才イタチ×下忍13才サスケ) 【108企画】式 2013年12月22日 木の葉平和パラレル 暗部18才イタチ×下忍13才サスケ --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「イタチの奴、どうしたんだ」 カカシ班での任務を終え、サスケが家へ帰ると、居間のこたつの一角でイタチがごろりと横になり眠っていた。昔からそれが家であっても家族の前であっても隙を見せることのない兄が、こうして無防備を晒して居眠りをするなど稀なことだ。 同じくこたつで本を開いていた母がそれを閉じ、腰を上げる。もう風呂も済ませたの夜着姿だ。時刻は夜十一時を過ぎようとしている。 「今日は任務が早く終わったからサスケを待つって言ってたんだけど、疲れているのかしらね、眠っちゃったみたいなのよ」 母は苦笑した。だがそのどこかに安堵がある。 「お夜食、用意してあるけど食べる?」 訊ねられ、ああと頷く。 「食べたら、あなたもお風呂に入りなさいね」 それにも、ああと頷いた。 ふと目を覚ましたのは日付も変わった深夜のことだった。 目を瞬かせる。明るい。そう思ったのは電灯が未だ点けられたままだったからだ。 イタチは肘をついて半分ほど体を起こした。 いつの間にか隣の角に弟のサスケがいる。風呂あがりなのか簡素なシャツに半纏、肩にはタオルを引っかけた何とも気の抜けた格好だった。 「風邪を引くぞ」 よく眠っていたせいか、声が掠れる。 母はもう休んだのだろう。 サスケは手入れをする苦無から目を離さず、それを磨き上げると道具を手早く片付け始めた。 「…もう寝る」 とは先程のイタチの苦言への答えなのだろうか。 イタチがのそりと完全に体を起こす間、サスケは疾く立ち上がる。 「寝るのか」 我ながら寝惚けた問いだなと思った。サスケの眉根にも皺が寄る。 「そう言った」 「そうだったな」 おやすみ。 そう部屋を去る弟の背に声を掛けと、彼はちょっとだけ振り返り、 「…ただいま」 と無愛想に言って今度こそ本当に出て行ってしまった。 しばし考え、思い至り、イタチはふふと笑った。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 続、反抗期デレ、ハンデレサスケェ…! 兄さんが待っていてくれてうれしかったサスケの話。 PR