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「一期一振」おまけ無配
2016.01.10発行の同人誌「一期一振」のおまけ無配ペーパーの修正再録です。
2016.10.16の「全忍3」に向けて1~3日に1話ずつ更新予定です。
※ 戦国パラレル(「一期一振」の設定・あらすじ・サンプルはこちら)
※ イタチ(18才)×サスケ(13才)
※ イタチ兄さんは「八坂ノ国」の若き領主、サスケは女郎置屋「暁」で普段は不寝番、兄さんが来るときだけ「扇」という名で女郎(男)として働いています。
※ 兄さんはサスケを弟と知っていますが、サスケは兄さんを兄とは知りません。
※ これはサスケがまだ兄さんを兄さんとは知らず、体の関係を持った「一期一振」の1章と2章の幕間の小話集です。
※ 本編「一期一振」はシリアスですが、おまけ無配はコメディです。
※ 春壱・式の合同文
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■ 鬼鮫子のお部屋 る~るる、るるる、る~るる♪
「は?」
鬼鮫子の言葉が理解できず、サスケは目を瞬かせた。閨で返すとは一体どういうことだろうか。
「下世話な話ですが、サスケくんはいつもうちはの旦那さんとはどのように過ごしているんですか」
「どのようにって…」
訊ねられ、口籠もる。旦那さんは水揚げの日と同じようにいつも陽も落ちぬ前からやって来るため、まずはサスケの仕度を待ってもらい、それから共に夕餉を取る。その間なにが楽しいのか知らないが、サスケのことを聞きたいと言うので、サスケはとつとつと弥彦や長門に習った剣のことを話している。姐たちから教えられた手練手管の話とは随分様子が違うとは思うのだが、旦那さんが望むのだから、まあいいかと考えていた。そうして酌をする内に夜も更け、後は旦那さんが導くままにその腕に身を任せれば、いつの間にか全てが終わり、別れの朝を迎えている。
「サスケくん…」
サスケの話に鬼鮫子は呆れた顔をした。
「ここは女郎置屋なんですよ」
「当たり前だ。そんなことは知っている」
「いいえ、全然分かっていませんよ。まあしかし、そんなサスケくんがするからこそお返しになるかもしれませんねえ」
サスケの姿を上まで下まで値踏みをするように眺めた鬼鮫子にサスケはすぐさま食い付いた。聞きたいのはその話だ。説教などではない。
「だから、お返しって何だよ。閨で何をすればいいんだ」
「そうですねえ」
鬼鮫子はくくっと喉を鳴らすと、おもむろにサスケに顔を寄せ、こそりと耳打ちをした。
「は? 咥えるだと? 何を?」
「だからナニをですよ」
サスケの反応が愉快だと言わんばかりに、にやにやと笑いながら鬼鮫子はサスケの股間を指差した。
「ば、バカ言え。そんなことであの人が悦ぶわけないだろ!」
もともと性戯に疎いサスケは口淫というものを知らない。故に男の逸物をしゃぶるなど想像も出来ない。
「はぁ…あなたはこんな場所で暮らしているというのに本当に純粋というか初心というか…」
やれやれと鬼鮫子は溜息をついた。
「そ、そんなにいいものなのか?」
不寝番として剣術の鍛練は日々こなしているが、花魁として相手を悦ばせる事については無知に等しい。サスケの客はうちはの旦那さんだけだが、この見世の振袖新造「扇」という名をもらった限りは花魁として閨での技術も学ばなければならないだろう。
「嘘だと思うのならお姐様方に聞いてみてはいかがですか? サスケ君はまだまだ新米ですから、きっと丁寧に教えて下さいますよ」
鬼鮫子がそうまで言うのならば姐達に聞くしかない。サスケはすぐさま姐達のもとへ向かった。
時刻はお昼前、仕事を終えて一眠りした花魁達が寝床から抜け出し、身支度を整える為に一階に降りてきていた。
「おや、サスケじゃないか。どうしたんだい?」
「聞きたいことがある」
いつになく神妙な面持ちのサスケに姐達は一体どうしたのかと顔を見合せる。
「その…男に奉仕するって…どうするんだ?」
よもやサスケの口からそんな言葉が出るとは思いもよらず、その場にいた花魁達は皆一様にぽかんとあっけにとられてしまった。
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03へ続く