現代パラレル。
イタチ兄さんがドルオタになってしまいました。
俺は今、重大な任務の中にいる。
俺にしかできないS級任務だ。
この日のために準備万端整えた。
基礎体力の向上、装備の強化と補てん。
アルバムと新曲の予習と復習、コンサートDVDは何度も見返した。合いの手もふりつけも完璧だ。
そう、今日は木の葉の超人気女装アイドル集団KNH48の全国ツアーの最終日。
会場である火影ドームには早朝からファンが押し寄せ、グッズ販売と開演を今か今かと心待ちにしていた。
その熱気たるや・・!
この人の数が、人々の熱狂が彼らの人気のすさまじさを物語る。
俺が人混みの間を縫うように歩いてグッズ売り場の列へと足を進めていると、周りがざわめきだす。
「見ろ!イタチさんだ。イタチさんが通るぞ!」
「やはり最終公演は押さえていたか!」
「ぼさっとしてないで道を開けろ!」
というようにまるで珍獣扱いだ。
俺は彼らのコンサートにほぼ全通しているせいかKNH48ファンの間でちょっと有名になってしまっているため、行く会場行く会場でこんな風に周り気を遣わせてしまうことになる。申し訳ない。
俺はKNH48のファン人気投票3年連続1位のサスケのファンである。このグループのことはもちろん好きだが、あのきりりとした目がウィンクを飛ばすたびに俺の心臓は口から飛び出そうになるほどときめく。サスケのためなら心臓を捧げるが。それはさておき。華奢な体から繰り出されるアクロバティックなダンスも彼の大きな魅力の一つだ。
開演1時間前、会場の扉が開き、誰もが足早にアリーナへスタンドへと駆けだしていく。
走ったら危ないんだが、ファンたちのはやる気持ちもわからなくもない。なんといっても今回のツアーの最終公演は業界関係者ですらチケットを押さえられないくらいの競争率だったのだから。スタンドでもチケットが取れただけありがたいと思わなくてはいけない。
俺は指定席につくとマフラータオルにペンライトを取り出し、携帯電話の電源をオフにすると荷物を座席の下にしまった。
おおっといけない。肝心のうちわを忘れてはいけない。うちわはもちろんお手製だ。
東●ハ●ズで骨組みを買い、ユ●ワヤやダ●ソーで金モールやラメを買い込み、装飾した。うちわに貼りつけた「サスケ ずっと愛してる」の文字は3日間かけてレタリングした自信作だ。
左右に、センターに伸びる花道や天井でスタンバイしているリフトを見ながら、彼らがステージを駆け回る姿を思い、高揚感が増してくる。はやくサスケに会いたい。
開演20分前からKNH48コールが始まり、早くもドームの観客のボルテージはぐんぐん上がっていった。
そして、開演時間。
会場の照明が一気に落ちる。瞬間、爆発的な湧き上がりドーム全体をびりびりと震わせた。暗闇にペンライトの灯りが次々と灯り、幻想的な光景となる。
英語でKNH48のメンバー紹介がされ、スモークのたかれた正面舞台のフットライトが灯ると彼らのシルエットが浮かび上がった。ひときわ大きな歓声が沸き起こり、ドームに響く「Welcome to KNH48 Party!!!」と叫ぶサスケの声。同時に舞台全体が明るくなり、彼らの姿がくっきりと見えるようになった。
俺はペンライトを握りしめ、うちわは胸の位置で持ち、叫んだ
「サスケェェェェエエエ!!愛してるぞーーーー!!!」
「今日もイタチさんヤバかったな!」
「ああ、あんなに完璧にサスケパートのふりを踊れる人はいねぇ」
「サスケも気づいてたみたいだったな。ちょいちょいファンサにイタチさんとこ行ってたもんな!」
「すげぇよ、あの人は」
「ああ、すげぇよ」
ごめんなさい!!ほんとごめんなさい出来心です。
モモクロ聞きながら携帯でネタを打ってたらこんなことになっていました。
重ねてごめんなさい。続きます。