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「生きかえった代償に忍術使えなくなった兄さん」のもとに「ニート兄さん(31歳)×社会人サスケ(26歳)」のサスケが飛ばされてきました。
「サスケ、サスケ」
ゆさゆさと体を揺すぶられ、急速に意識が浮上した。目を開けるとイタチが俺を見下ろしていた。
「起きろ、今日も任務があるんだろう?」
なんだか浴衣・・というより忍者?みたいな恰好をしている。
ていうか、任務?仕事のことを言ってんのか?
「あ、ああ。」
まだぼんやりする頭を振って起き上がり驚いた。ベッドで寝ていたはずなのに俺が今寝ているのは布団。しかも見たこともない和室。
「は?!」
頭の中にかかっていた眠気という靄も一気に晴れて俺はあたりを見回わした。
「どこだよ・・ここ・・」
唖然としていると、目の前のイタチが窓を開けながら
「どこって俺たちの家だろうが。お前、まだ寝ぼけてるな」
といっておかしそうに笑った。
「朝ごはんできてるからな。着替えたら来い」
そう言ってイタチは部屋を出ていった。
いやいやいやいやいや!!!
おかしい!おかしいぞ。朝ごはんできてるって?イタチが作ったって?仕事辞めてから1年朝なんてろくに起きて来なかったイタチが?嘘だろう?!
部屋の時計は7時を過ぎたところを指している。時計が壊れていないなら壊れているのはイタチの体内時計の方だ。こんな時間にアイツが起きているはずがない。
俺はイタチの後を追うように部屋から飛び出した。
俺たちの暮らすアパートとは似ても似つかない一軒家。少し年季が入ってきているのか、ところどころ床がぎいっと音を立てた。
台所に飛び込むと、イタチが味噌汁の鍋に火を入れているところだった。
いいにおいだ・・
思わず腹が鳴る。
「どうした?お前なんか今日は変だぞ。具合でも悪いのか?」
「え、いや・・」
具合が悪いのは兄さんの方じゃないのか?そう言いかけた時
「俺は今日早出だからもう行くな。味噌汁あっためてあるからすぐ食べられるぞ。おかずはそこに・・食器は洗っておけよ」
そう言って俺の肩をポンと叩いた。
待てよ、待ってくれよ。一体何がどうなっているのかさっぱりだ。誰か説明してくれ!
いや、そんなことよりも・・
「に、兄さん!」
玄関で靴(というかサンダル?)をはいているイタチを呼び止める。
「アンタ、早出って・・どこに行くんだよ!」
「?・・何を言ってるんだ。仕事に決まってるだろう」
「仕事!?兄さん仕事に行くのか!?」
「だからそう言ってるじゃないか。お前・・本当にどうしたんだ?」
兄さんが仕事・・仕事に行く兄さん・・本当なのか・・
あ、なんか視界が滲んできた・・・
「とうとう働く気になったんだな、兄さん!!」
そういて俺はイタチの首に抱き着いた。
夢みたいだ!兄さんがとうとう働くって・・!
今日は仕事帰りに赤飯買って来よう。兄さんの好きな甘味も!
ああ、クソ!夢なら醒めないでくれ!
喜ぶサスケをよそに頭の上に?が飛びまくるイタチ。
(昨日の任務で頭でもぶつけたのか?帰りにサクラに声かけてみるか・・)
忍びの世界に迷い込んだ現代っ子サスケは任務に行けるはずもなく、今度はサスケがニート体験をすることになるのでした☆
以前ブログで書いた忍術が使えない病弱兄さんに登場してもらいました。病弱兄さんは任務に行けないので、火影様の下で事務仕事しています。毎月の楽しみは暗部の給料明細を見ることです。