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任務を終え、イタチはシャワールームで汗と埃と血で汚れた体を洗っていた。勢いよく流れるシャワーを止めて、髪や腕の匂いを嗅ぐ。もうかれこれ同じことを3回ほど繰り返した。少し前まで聞こえていた他のシャワールームにいた忍び達はいつの間にかいなくなっていた。
ロッカールームで母が出かけに持たせてくれた着替えに袖を通す。住み慣れた家の匂いがして一時、心が穏やかになる。
すっかり日の落ちた里の大通りを一族の集落に向かって歩いていく。
夕飯時のせいか、あちこちからほっこりとしたいい匂いが漂ってくる。温かくて優しい時間だ。
いつもなら、こんな何気ない日常の出来事でしばし慰められたりするのだが、今日はそうもいかなかった。どんよりと肩にのしかかった闇がどこまでもどこまでも付き纏う。
今日、初めて人を殺した。
まだ手に残る、苦無が皮膚を破り、筋肉へ食い込む感覚。
人ではない何かに変わってしまったような恐怖と絶望。
自分がもう二度と帰れない場所へ来てしまったような気がした。
玄関を開けると、待ちかねたようにサスケが走ってきた。
「おかえり!にいさん!母さんがご飯できてるよって!いっしょにたべよ!」
満面の笑みでイタチに飛びつこうとするサスケを受け止めてやろうとして、やめた。
「すまない、サスケ。少し疲れたからもう寝るな」
そう言ってサスケの額をこついた。
背後で状況が呑み込めず、ぽかんとしているサスケの気配を感じたが、イタチは振り返らなかった。
ごめん。
ごめんなサスケ。
この手がただ抱きしめるためだけにあったらよかったのに。
兄さんは優しい人だから初めて人を殺した時は辛かっただろうなぁと思います。
でも実際兄さんが人を殺めたのっていつなんでしょうね?