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概要:「NARUTO」女性向け二次創作テキスト共同サークル企画・連絡所  傾向:うちはイタチ×うちはサスケ

70:リレー小説_現代パラレル「イチャイチャ旅ティクス」07_うちはマダラ

設定:21才大学生イタチ×16才高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
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 集落に最も近い停留所で降車する。
「田舎だな」
 とはサスケの言だ。よく的を射ている。走り去って行く客を乗せないバスが失せたら、あとは四方ただ山になった。
 うちはの里はここからまだ二十分ほど掛かる。
「行こうか」
 白い息を吐くサスケを伴い、歩く。終始無言になったのは、なにも珍しいことではない。
 バスの路線道路を外れ、昨夜か今朝に降ったのだろうか、雪に濡れた道を行く。
 やがて視界に人家がぽつぽつと見え始めるころ、サスケが口を開いた。あれか、と言う。あれだ、と答えた。
 あれがうちはの里だ。
 集落へ入る。昔から、今もまだ、この辺り一帯に力を持つ一族発祥の里らしく、厳めしい門構えの家々が緩い上り坂の道沿いに続く。石垣は古い時代に積まれたものだろう。後ろのサスケは「へえ」と物珍しげに触れていた。
 無論、道々おれの顔を知る一族は声を掛けてきたが、だがこちらがまだマダラに挨拶を済ませていないと知ると、早々に解放してくれた。マダラはいわば里長のようなものだ。一族の象徴ともいえる。因習はこんなところでは役に立つものだなと半ば呆れ、連れたサスケが会釈程度で済んだことを感謝する。
 そのマダラの邸宅は里の最も奥まったところ、坂を上り切った先にあった。一際古い瓦葺の館がそうだ。玄関で父の名代で来たことを家の者に告げる。奥へ通され、待つように言われ、暫し、
「挨拶とはまたご苦労なことだな、イタチ」
 うちはマダラが姿を見せた。正座をするおれたちを余所に、上座に胡坐をかく。
 持ってきた菓子折りは作法に従って渡したが、マダラの関心事は早くもサスケに移っていた。
「そいつは?」
 と訊ねられる。
 すると、おれより少々後ろに座っていたサスケは、おれが答えるより早く自分で自身の名を名乗った。
「サスケだ」
「ふうん」
 サスケか、と今度は立てた膝に乗せた腕の手に頬を預けながら、マダラの目がおれへと動く。
「お前の弟か」
「ああ、そうだ」
 また「ふうん」と頷く。
 ぎょっとしたのは、マダラの手がつとサスケへ伸ばされたからだ。
 思わず間に腕を割って入る。
 マダラはくっくっと可笑しげに笑った。
「どうした、イタチ。お前らしくもない」
「……」
 手を下ろす。
 背後では困惑したようにサスケが小さくおれの名を呼んだ。
 なんでもない、とだけ返す。
 マダラもまたサスケから手を引いた。その指先が名残惜しげだったのは、
「お前は少し面差しがイズナに似ている」
 そういうわけだったからだろう。
 イズナの名を知らないサスケが戸惑うのは背に伝わってきたが、この場で話すには適切ではない。後で話してやると言い、制する。
 加えてマダラ自身、イズナの話をこれ以上するつもりはないらしい。
「まあせっかく遠路遥々来たのだ」
 話の先を変え、「今日は泊まっていけ。一族の者も夜には集まる」と言う。
 そのつもりもないし、何も用意してきていないと断るが、
「お前のことだ、こう言われることを見越して何も持って来なかったんだろう」
 と図星を突かれる。
 その通りだ。俺はともかく、サスケをここへ長居させるのは酷というものだろう。好奇と値踏みの視線に晒され、身を固くするサスケの姿をおれはもう何度も見てきている。普段は強気な弟だが、一族を取り纏める父の立場を思えばこそ、黙って耐えているに違いなかった。
 だが了承は意外なところから来た。
「おれは別にかまわない」
 振り向く。
 サスケは平然としていた。
「どうせ今日帰ったところで何も変わらない。次も同じだ。なら今日がいい」
「サスケ、お前」
「兄さん。おれはもうガキじゃない。何を言われようが、聞かなければいいだけのことだ」
「…なら決まりだな」
 と、マダラは頷いた。
「部屋と着るものを用意させる。その間にイタチ、そいつを連れて風呂にでも入ってこい」
 今日は一段と冷えると言うマダラを制して、サスケは「そいつじゃない、サスケだ」と目を尖らせた。
「お前の弟は随分強気だな」
 マダラは面白げに笑った。

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兄さん過保護爆発中。
マダラも登場。マダラとイズナの兄弟も大好きです。イズナの一言がマダラを縛っているところとかたまらんです。
そしてお風呂フラグを立てた!春壱さんにパス!
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