98:リレー小説_現代パラレル「イチャイチャ旅ティクス」15_帰り道に寄り道 【108企画】リレー小説「イチャ旅」 2013年12月31日 設定:21才大学生イタチ×16才高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。 担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱 形式:リレー。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 一晩中、抱いて寝た。しゃくりを上げる背は撫でている内に安らかな寝息になった。 見知らぬ土地で過敏になっていたのだろう。そこに突然知らされたおれの話が拍車をかけた。 場を間違わなければ、サスケはもっと冷静におれの話を聞けたはずだ。 その証拠に翌朝目覚めたサスケは、抱き寄せていたおれの腕を重いと言ってさっさと外してしまった。まだ目は腫れているが、泣き果てるまで泣いたおかげか機嫌はさほど悪くはなかった。日頃から思い詰めるところがあったのかもしれない。 朝食を断り、サスケを連れて早くにマダラの家を出る。マダラはおれには何も言わなかったが、サスケにはまた来いと言った。 バスを待って、町まで戻る。その間なにも話さなかった。 おれはまだ昨日のサスケに答えを返してはいない。だが、曖昧にするのももう限界だろう。 だからこそ、あのとき抱かなかった。抱いてしまったなら、サスケはきっとまた同じ不安を繰り返すに違いない。そう思った。 「おい、どこ行くんだ」 電車の停車する駅舎へ足を向けるサスケとは反対に歩き出すおれをサスケは不審げに引き留めた。 もう電車が出ちまう、と言う。確かにそれを逃したら、次までは長く待たねばならない。 だがおれの足が止まらないと分かると、サスケは僅かの逡巡を経て、後を追ってきた。 「イタチ…?」 寂れた町を更にうらぶれた方へ行くにつれ、サスケの声音に不安が滲む。 「なあ…」 「ここでいいな」 付いて来たサスケを振り返る。 サスケはおれではなく、目を瞠り、目の前の古い鉄筋の建物を見上げていた。 「兄さん、ここって…その…」 「ラブホテル、だな」 立ち尽くし、いつまで経っても踏み出さないサスケの肩を抱いて押し、ホテルに入る。適当な部屋をパネルで選んでキーを取った。 部屋は三十年ほど前に時を止めたような造りだった。薄暗い壁には染みが付き、こびりついた煙草のにおいがうっすらと空気に籠っている。 まあ、することができれば問題はない。 おれは入ってすぐの扉の前で固くなる背後の弟をそのまま壁に押し付けた。腰を意味深に抱くと、はっとしたように首を振る。 「あ…やだ…」 「してくれって言ったのはお前だろう」 「でも、こんな…っう…」 キスをする。 手荒に乱すと昨日から何度も高められているサスケはすぐに息を上げた。 「んっ…んん…ン…や…」 「いや、なのか?」 口を離し、体も離す。 するとサスケはさっと青ざめた。また首を振る。 それが昨日の夜、縋って来た姿にどうしようもなく重なった。 「なあサスケ」 腕の中にすっぽりとサスケの頭を包む。 「おれとしたいと思うのはどうしてだ?」 「どうしてって…」 「おれはお前の傍にいる。何処にも行かない。だから、無理に体を繋げる必要はない」 愛しているから傍にいて抱きたい。 けれど大事に思っているから、遠くから見守るだけでもかまわない。 お前が望むなら、傍にいて見守るだけだってできる。 「それでもお前がおれに抱かれてもいいと言ってくれるなら、おれはお前を抱きたいよ」 お前におれが必要なんじゃない。 おれにお前が必要なんだ。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------- もう自分で何書いてるかわからんくなってきた!これ絶対加筆修正する!ごんなさいっ。でもいったんパスっ。 PR