55:いつかどこかのイタチとサスケ 【108企画】式 2013年12月18日 「42:いつかどこかのイタチとサスケ」課金兄弟のサスケ版。続いていました。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「宅配便でーす」 という溌剌とした挨拶と共に届けられた大きな段ボール箱は、おれには覚えのないものだった。 受け取り、抱えて宛先を確かめる。 どうやらサスケ宛のものらしかった。送り主には大手通販業者の名が印字されている。 「おれのだ」 玄関の気配に気付いて奥からやって来たサスケは、ぐいとおれの腕から荷物を強引に受け取った。 なにを買ったんだと訊ねても、アンタには関係ないと素っ気ない。 仕方なく追いかけて、居間で早速箱を開くサスケの肩越しに中身を覗くと、 「…サスケ、それは…」 大量のおれ、うちはイタチのフィギュアだった。 全種×3体もある。 それを一体一体取りだし、自分を囲むように並べながらサスケはふんと鼻を鳴らした。 「兄さんだって、おれのを買っているんだ。おれがアンタのを買ったっていいだろう」 「それはそうだが…」 だが、ひょいと持ち上げ下から覗いて「ふーん、こんな構造になっていたのか」などと言うのはやめてほしい。手荒いぞ、サスケ。 いや、それよりも問題は数だ。一種につき三体は多すぎる。 サスケにそのことを指摘すると、 「実用用だ」 って、お前…。 全身稼働のお前の兄さんは、ちゃんとここにいるじゃないか…。 そう言ってもサスケはおれに背を向けたまま、つんと澄ましておれのフィギュアを弄っている。 思い当たる節はある。おれはこの間、今回のサスケのように断りもなく多額の買い物をしたのだ。 「なあサスケ…お前まだこの間のことを怒っているのか」 つーん。 「謝っただろ」 つーん。 「サスケ…」 つーん。 「……」 はあ。 おれは今、(´・ω・`)ショボーン、こんな気分だ。 その後、サスケの機嫌が直るまで、一週間を要した。二人暮らしは難しい。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- いつもサスケに負けてもらっているので、本日は兄さん(´・ω・`)ショボーンDAY。 PR