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概要:「NARUTO」女性向け二次創作テキスト共同サークル企画・連絡所  傾向:うちはイタチ×うちはサスケ

61:現代パラレル(大学生21才イタチ×高校生16才サスケ)

現代パラレル(大学生21才イタチ×高校生16才サスケ) 
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 イタチは、それが彼の癖なのか、あまり物を買ったりはしない。
今でこそサスケが持ち込んだ、あるいはサスケのために買った物がいくつかあるが、初めて兄が暮らすマンションに踏み入れたとき、サスケはなんと殺風景な部屋だろうと思った。
 無論、サスケもあれこれと目に付いたものを手当たり次第に買うような性格ではない。
 けれど、イタチの場合は、それとも違う。
 つまり、「イタチのもの」がないのだ。イタチが暮らす部屋だというのに、もしある日イタチが帰らなければ、もうそこにイタチがいたことすら感じられない、兄が住む家はそんな部屋だった。
 それは、主が帰らなくなって久しい実家の兄の部屋を彷彿とさせる。
 兄は、イタチは、いつでも何処からでも去れるようにしているのではないだろうか。だから、ああもかんたんにあっさりと家を出て行けたのではないだろうか。
 以来、サスケは何かにつけて兄に物を買うよう言っている。
 が、そういうことと今サスケが「それ」に手を伸ばしたことは、全く関係のない、意図してのものではなかった。
 やや間の抜けた猫を模したビーズクッション。
 そんなものがふと気になったのは、サクラやいのたちが最近かばんにその猫のぬいぐるみを付けていたからだ。それに猫はきらいじゃない。
 触れてみると、奥まで指が沈む間隔と手触りが良い。
 顔を埋めれば、どんな心地だろうか。
 ふとそんな衝動に囚われたせいか、サスケはイタチが背後にいることに気がつかなかった。
「それが欲しいのか」
 突然後ろから声を掛けられ、びくりと肩が上下する。向かいの本屋での立ち読みは終わったらしい。
「べつに。見ていただけだ」
 サスケは雑貨屋の店頭にビーズクッションを戻す。だが今度はイタチがそれを手に取った。ふーんと眺め、
「買ってやるよ」
 なんて言い出す。
 サスケはレジへ向かうイタチの腕を慌てて掴んだ。確かに一瞬どんな心地かと心惹かれたが、どうしてもそれが欲しいわけじゃない。
「見てただけだって言ってるだろうが」
 第一そのデザイン。男子高校生の部屋に置ける物じゃない。
 そう言うと、イタチはなんだそんなことかと事も無げに解決策を提示した。
「それじゃあ、おれの部屋に置いておくといい」
 ほらと渡された包みからは猫の耳がはみ出している。


 そういう経緯でイタチの何もない部屋に住むことになった猫は今日もカウチの上で、やって来たサスケの心を少々の違和感で慰め満たしてくれる。

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去年途中まで書いて蔵入りしていたものを引っ張り出してきました。サイトお題「初恋の話」のたたき台として書いていたものです。調べたら去年の11月30日に「初恋」書いてました。時が経つのは早いなあ。
「初恋の話」はこちら↓
http://www1.odn.ne.jp/~cij24740/naruto043.html
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