91:木の葉平和パラレル(暗部18才イタチ×下忍13才サスケ) 【108企画】式 2013年12月31日 木の葉平和パラレル 暗部18才イタチ×下忍13才サスケ ハンデレサスケシリーズ --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 朝九時、その十五分前。偶々通りかかった里の通り沿いの店に行列ができていた。店はまだ開いてはいない。みな開店を待っているのだろう。 その行列の中にサスケは知った顔を見つけ、そしてあちらもこちらに気付き声を掛けられた。 「サスケくん!」 サクラといのが大きく手を振る。 サスケはポケットに突っ込んだ手を出すことはなかったが、無視をすることはなく行列からは少し離れて二人が並ぶ店を見上げた。 甘栗甘。里一番の甘味処だ。 「こんな朝からわざわざ並んでいるのか」 嘆息交じりに言うと、ふたりは「だって」と口を揃えた。 「一日個数限定のお団子なんだから!」 「任務のない日じゃなきゃ買いに来られないし」 「…そうかよ」 勢い込むふたりに若干押される。 だいたいサスケには興味のない話だ。甘いものは好きじゃない。 話を早々に切り上げ、「じゃあな」とふたりに別れを告げ、歩き始めて十歩。 一日個数限定の団子。 任務のない日でなければ手に入らない。 サスケは好きではない甘いものが好きな奴が今日久しぶりに帰って来る。 「……」 戻って十歩。 「あら、サスケくんも並ぶの?」 サクラの問いにサスケはふいと目を逸らしそっぽを向いた。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 帰って来た兄さんの文机に、ちょんまり団子の箱が乗っている、と。 「ただいま」って言ったのに、「おかえり」とも言わず、「ん」とだけ返事したサスケが照れていただけだと兄さんは勿論気付くのでございます。 PR