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概要:「NARUTO」女性向け二次創作テキスト共同サークル企画・連絡所  傾向:うちはイタチ×うちはサスケ

照れ屋な彼のセリフ_1.「ばか、そんなんじゃねーよ」(式)

「絶対にチューしてはいけない24」
設定:21才暗部イタチ×16才中忍サスケ。同居実家暮らし。
縛り:ブラコンだけど、できてません。 ほっぺやおでこへのキスはセーフ。

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 朝、出掛ける支度を整え、イタチは上り框から腰を上げた。
 といっても今日は里内での勤めで、大した忍具や荷があるわけでもない。とんとんと爪先の具合を確かめ、引戸に手を掛ける。
「いってきます」
 申し訳程度に奥を振り返る。
 すると、それに応じて出てきたのはいつもイタチを見送る母ではなく、弟のサスケだった。平服を着ていることから今日は非番か、或いは朝からの任務ではないのだろう。
「兄さん」
 後ろ手で手を組んだサスケはイタチの様子を窺っているようだった。
 まだ五歳の身長差を埋められない弟は、しかし今日は彼が家に上がっている分だけ背が高い。ちょうど同じほどの目の高さだろうか。幼い頃、玄関で靴を履くイタチに修行をねだってきた姿が思い出されて、イタチは僅かに目許を緩めた。
「どうした、サスケ」
 きっと何事かを言い出せず口籠っているのだろう弟を促してやる。
 サスケは一瞬下へと視線を彷徨わせたが、意を決したのかやがて顔を上げた。
「アンタ、今日はいつ戻るんだ」
「今日…?」
 不意の質問に瞬く。
 まさかこの歳になっても修行をつけてほしいはないだろう。だいたい今朝だって早朝組手には付き合ってやった。
 イタチがそのように弟の求める答えを探していると、その当人は早々と痺れを切らしてしまった。気を許した同年代たちにはどうだか知らないが、父や母、兄には対してはどちらかといえば辛抱強く気長なところのあるサスケだ。その彼が、
「今日はアンタの誕生日だろう」
 と早口で言うのは、たぶん照れたな、とイタチは思う。
 話を聞くと、どうやら今夜の夕飯はサスケが腕を振るうらしい。どうせなら温かいものを振る舞いたい。だから帰る時間を知りたい、とそう言う。
 イタチは改めてサスケの平服を見遣った。
「お前、もしかしてそのために」
 今日、非番を取ったのか。
 そんなイタチが口にしようとしたことをいち早く察したのだろう、
「ばか、そんなんじゃねーよ」
 サスケは朝に似つかわしくなく声を大きくする。
「偶々休みだったから、アンタが食いたいって言ってたものを作ってやろうと考えただけだ」
 そう早口に捲し立てるそれには、「ふうん、そうか」とわざと含みを持たせて頷いてやる。
 サスケは舌打ちをした。幼い頃のようにつんと唇を尖らせ、横を向いてしまう。イタチの前でだけ見せる弟としての顔だ。
「…それで?」
 やや沈黙の後、怒らせてしまっただろうかと思うイタチにサスケがそっぽを向いたまま言った。「うん?」と答えると、
「だから、いつ戻るんだよ」
 もう一度こちらに向き直ってくれる。
 尖らせたままの唇。けれど何処か気後れした眸の揺れ。
 イタチは引戸は開けたまま、上り框のぎりぎりまで歩を戻した。人差し指を彼の額の高さまで上げる。咄嗟に額を庇う仕草をした弟の虚を突き、
「サスケ」
「ん…っ」
 その唇に指先で触れる。むにりと尖ったそれを崩すように押し上げた。
「拗ねるなよ」
「拗ねてなんか」
「ちゃんと戻る」
 イタチのきっぱりとした言い様にサスケの言葉の先が奪われる。イタチは弟が黙ったのを確かめるように数拍置いてから微笑んだ。
「偶々だとしてもお前の気持ちが嬉しいよ」
「兄さん…」
「夜七時頃には帰る。分かったな?」
「…うん」
 こくんと頷くサスケ。
 そのサスケの唇から指を離し、イタチは照れて無防備になった弟の額を小突いてやった。
「っ、兄さん!」
 そう咎めるように額を押さえてイタチを呼ぶサスケがどこか懐かしい。イタチは踵を返し、挨拶代わりに小さく手を上げた。
「おれの前でだからといって、あんまり気を緩めるなよ。じゃあな。いってくる」
 戸を潜ると、朝の晴れ晴れとした里の空が今日特別な日を迎えるイタチを祝福していた。
 
 
 
■兄さんの姿が見えなくなるまで黙って見送るサスケの背後に実はいたフガク父さん
「……」
 いろいろ言いたいことはあるがとりあえず玄関を空けてくれ。
 と警務の出勤時間が押し迫る中、思うフガク父さんだった。

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お題配布元:「確かに恋だった」さま

兄さん、お誕生日おめでとうございます…!!

今回の企画では「うちはフガクの受難」的な過剰に仲良し兄弟をいっぱい書けたらなと思います。
小話の中でも本当に短い話ばかりになってしまいそうですが、サスケの誕生日まで仲良し兄弟をいっぱい書いてお祝いをする予定です。

春壱さんと12個ずつ、計24個。
縛りは「絶対にチューしてはいけない24」ということで、もうそこはキスしちゃえよ!というところでもキス回避をするというものです。

今回のキス回避:
「人差し指を上げて、額を庇う仕草をした弟の虚を突き、その唇に指先で触れる。」
ここでキスでいいじゃないか…!キスして、「拗ねるなよ」でいいじゃないか…!
でも回避。
それがルールだから…!

兄さんの前でだけ「弟」の顔を見せるサスケがかわいい…!
普段はかっこいいのに、兄さんの前ではちょっと言動が幼くなるとかわいい…!
家族の前だと油断しちゃうサスケ。
もちろん、兄さんもサスケの前でだけ「兄」の顔で、ちょっと(どころでは実はないけど)甘やかしてあげるのが萌えー!
この兄弟はお互いの「特別感」がたまらんです。
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