[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
穏やかな昼下がり。イタチは縁側で父から「読んでみるか?」と渡された巻物を読んでいた。居間の座布団の上では、先ほどまでよちよち這い回っていたサスケが疲れて眠っている。
くるくると繰るたびに広がる文字の羅列はまだ理解しがたいものもあるが、イタチの好奇心を大いにくすぐった。
どれくらいそうしていただろう。急にぎゃーんっと泣き出したサスケの声で我に返った。夢中になりすぎて、一人で家にいる気になっていたイタチは慌ててサスケに駆け寄った。
抱き上げるとお尻のあたりが冷たい。
これは・・
「やったな・・」
しかも、両方・・
替えのおしめを取りに行き、母に教えてもらった通りに取り換えてやると、サスケはご機嫌とばかりに笑った。
そのすべらかな頬をすりすりと撫でてやると、くすぐったいのか声を上げて笑った。イタチはそのままサスケを抱き上げて、庭に出た。
新緑の季節を迎え、勢いよく伸び始めた草木のむせ返るような匂い。青く澄んだ空に暖かな風が吹き渡る。
「にーに」
「え?」
「にーに」
腕に抱いたサスケがイタチの服をぎゅうっと掴み、頬を摺り寄せてくる。
「サスケ・・今・・」
にーにって言ってくれたの?
そう聞こうとしたとき、玄関の扉が開く音と母の「ただいまー」という声が聞こえてきた。
「・・っ・・母さん!あのね・・」
サスケを抱きかかえたまま、イタチは玄関へ走って行った。
サスケが一番最初に喋れるようになった単語が「にーに」だったらいいのになってことで。