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概要:「NARUTO」女性向け二次創作テキスト共同サークル企画・連絡所  傾向:うちはイタチ×うちはサスケ

16:RTN設定(傭兵部隊「暁」21才イタチ×中忍16才チャラスケ)

限定月読世界設定。傭兵部隊「暁」21才イタチ×中忍16才チャラスケ。
注:兄さんの性格も変化させています。サスケはチャラスケ仕様。

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 おれの兄さんは将来を一族からも里からも嘱望された優秀な忍だった。
 「だった」と言うのは、すでにそういう兄さんが「過去」のものになってしまったからであって、なにも彼が死んでしまったというわけではない。
 おれの「優秀だった」兄さんは、おれが八つになったある日ふらりと里を抜け、そしてやっぱりふらりと傭兵部隊「暁」の一員として里へ戻ってきた。
 当然何らかの処罰を受けるものだとばかり思っていたが、暁のイタチは何事もなかったかのように里で暮らすことを許された。
 傭兵の任務で空ける以外は、元のように父さんと母さんの家でおれとも一緒に暮らしている。
 兄さんも、両親も、一族も、そして里も、おれにはなにがなんだかさっぱりわからない。
 ただひとつ確かなことは、そういうおれを振り回してばかりのような状況に、まともに向き合うのがバカバカしくなったということだろう。
 兄さんが里を抜けて帰って来るまでの間いろいろあったんだよ、おれにも。だが、それはわざわざ引っ張り出して言うようなことでもない。
 古い家の引戸が開く。
 今日は兄さんが暁の任務から帰って来る日だ。
 夜はもう遅いから、父さんと母さんは先に休んでいる。
「おかえり、兄さん」
 おれは小さい頃のように玄関で兄さんを出迎えた。
 開いた戸から月光が忍び入る。
 兄さんはただ「ああ」とだけ返事をした。暁のコートはすっぽりと彼を覆ってしまっている。
「随分無愛想なんだな、アンタは」
 おれは履物を脱ぐ兄さんの背に言った。
「おれがせっかく起きてアンタを待っていてやったってのによ」
 家へ上がる彼の鼻先に薔薇を一輪差し出してみる。
 昼間女の子たちにあげて残った一輪だ。でも花屋で見つけた一番の、とびきりきれいな一輪だ。
「愛してるぜ、にいさん」
 そのまま無表情の彼の首に腕をするりと回す。鼻先が触れ合った。顔を傾ける。
 キスくらいどうってことない。
 さっきも言ったが、任務から帰って来る兄さんをおれは起きて待っていたんだ。
 傭兵部隊「暁」の任務はその性質上とても長い。もちろん兄さんが里を出ていなくなってしまった期間の方が長いけれど。
 だがイタチは不快げにおれの薔薇も腕も払い除けた。
「よせ、サスケ」
「…んだよ。いいだろ、これくらい」
 半歩後ろへ下がり、すれ違う。
 だいたい先に手を出してきたのはそっちじゃないか。
 そう思わず口にしかけ、だが
「小細工はいらない」
 振り返ったイタチに胸が膨らむ。
 彼が目線で示したのは階段、二階のおれの部屋だった。
「来い、抱いてやる」
 ただし、明日はまた次の任務があるから時間がない。だって。
 だから小細工や上辺の言葉は不要、なんだって。
 おれは二階へ上がる兄さんの背を追いかけ、部屋へ入るなりキスをしたが、でもあの薔薇は花屋で一番のものだったし、
「ん…ン…にいさん、にいさん、愛してる」
 夜の合間に抱かれてこぼす心にも嘘なんかない。
 ないんだ、兄さん。
 
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兄さんに「愛してる」ってチャラスケが連呼しすぎて、兄さんは「ハイハイ、またか」状態になるんだけど、実は本気で言うのが怖いチャラスケの自己防御で軽薄なふりの「愛してるぜ、にいさぁん」連呼なの、本当は本当に兄さんを愛しているチャラスケとかどーよ!
と春壱さんに猛烈に語ったら、「うん、それで書きなさい」と言われたので書きました。でもちょっとちがう。
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