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「絶対にチューしてはいけない24」
設定:21才暗部イタチ×16才中忍サスケ。同居実家暮らし。
縛り:ブラコンだけど、できてません。 ほっぺやおでこへのキスはセーフ。
ほぼほぼ毎日更新・企画恒例リレー小説!(イタチ視点:春壱、サスケ視点:式)
「また今度だ」はじまる。
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滅多にない家族揃っての夕食の後、改めて風呂に入り直し、おれは自室のベッドに倒れ込んだ。思わず胸から溜息が零れるのは、風呂上がりの熱のせいだけじゃない。濡れた髪の滴がシーツに染みていく。
兄さんが一日おれのために時間を空けてくれた。偶然じゃない。おれの誕生日に合わせて休みを取ってくれていたのだ。
修行をした。出掛けもした。買い物へ行き、温泉にも入った。たぶん「買いたいものがある」と兄さんが言ったのはおれを連れ出すための方便だったのだろう。
それから、おれ、兄さんと…。
唇に触れた兄さんを思い出せば、胸の中で心臓が大きく脈を打つ。
こんな居ても立っても居られない感覚は知らない。どうしていいか分からない。自制がきかない。誤魔化すようにシーツの上で身を捩った。
また今度。
今それがほしい。
「兄さん」
閉じられた障子の向こうに呼びかける。集落の誰も彼も、父さんと母さんも寝静まったような夜半、兄さんの部屋には未だ明かりが灯されていた。
「おれだ」
言うと、入ってこいと返される。
戸を開くと兄さんは文机に向かい、火立ての下、筆を執っていた。日中おれに付き合ったから、今頃仕事をしているのだろうか。
そうだとしたら、こんな気持ちで訪ねてしまったことが酷く疾しいことのように思われて、後ろめたい思いに駆られる。
傍に行くのは憚られた。
兄さんのぴしりと正された背を眺められる、敷いてあった布団の脇に座して黙する。
兄さんは暫く書きものを続けていたが、いつまで経っても話を切り出さないおれを見るに見兼ねてか、手は筆を走らせながら、
「どうした、サスケ」
と訊ねた。
だが、本当のことは言い淀む。
思案して、当たり障りのないことを口にした。
「今日の礼を言いに来ただけだ」
「言われるほどのことをした覚えはないがな」
「…そうかよ」
どこか気まずく思うのは、あの夕焼けのときのようにおれたちの想いが重なっていないからだろうか。
引き上げ時だ。
「じゃあ、それだけだから」
腰を上げる。だが、「サスケ」と引き留められた。
筆が硯に居場所を見つける。火立ての炎が小さく揺らめいた。兄さんが振り返る。
「おれはちゃんと父さんと母さんのところへお前を返したぞ」
ああ、そうだな。
分かっている。
だが、おれはまたこうしてアンタのところへ、兄さんの許へ来てしまった。
兄さん。
「また今度が早く、今、ほしい」
兄さんは笑わなかった。
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パスだー…!!
そして、そろそろケーキを食べないか、春壱さん。