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「絶対にチューしてはいけない24」
設定:21才暗部イタチ×16才中忍サスケ。同居実家暮らし。
縛り:ブラコンだけど、できてません。 ほっぺやおでこへのキスはセーフ。
ほぼほぼ毎日更新・企画恒例リレー小説!(イタチ視点:春壱、サスケ視点:式)
相変わらずもだもだサスケ。
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買いたいものがあると兄さんが言う町は忍の脚で駆ければ、うちはの修練場からものの十数分で着く距離にある。だが隣を歩く兄さんにその気はないようだった。比較的人の往来がある視界の開けた街道を二人で歩く。
「こうして出掛けるのは久しぶりだな」
「ああ、そうだな」
イタチに言われて気づく。
出掛ける。
そうか。今おれたちは二人で出掛けているんだ。
「…兄さんとこうしていると昔を思い出す」
「昔?」
「猫バアのところへ無理を言って連れて行ってもらっていた」
あの頃のおれは多分今よりもっと無邪気で、それから兄さんに対して強気だった。どんな我儘だって、きっと兄さんなら「仕方ないな」と微笑ってくれると信じて疑わなかったから、全身で甘えられた。
兄さんは変わらない。あの頃のまま、今日だっておれに付き合ってくれている。
変わってしまったのはおれだ。
いつから素直に「本当はこんな風に兄さんと出掛けてみたかった」と言えなくなってしまったのだろう。
「…なあ、兄さん」
「うん?」
どうしたとおれをちらりと見る瞳にやっぱり何も言えなくなる。
代わりに違うことを口にした。
「買いたいものって何だよ」
忍具なら今も兄さんは猫バアのところで仕入れているはずだ。
だが、
「さあ、何を買おうかな」
なんてはぐらかされた。
まさか甘味の類じゃないだろうな。イタチなら大いに有り得る。この前だって里の通りでばったり会ったとき、ちょうどいいからと無理矢理甘味処に引っ張り込まれた。
兄さんを振り仰ぐ。
「なあオイ」
「さっきからなんだ」
「アンタが買いたいものって、甘味処とかにあったりしねーよな」
そう念を押したつもりが、逆にイタチの顔を緩ませる。
「甘味処、行きたいのか?」
どこをどう聞いたらそうなる。おれが甘いものは苦手だと知っているくせに。
でも、
「…アンタがどうしても行きたいなら、付き合ってやってもいいぜ」
「サスケ?」
イタチはおれが返した答えが意外だったのだろう、少し瞳を大きくした。
「だが今日はお前の誕生日だろう。そんな日にお前のきらいな」
「べつに気にしてねーよ」
それに兄さんとなら本当は甘味処に行くのも悪くないと思っている。
普段は能面を付けたような兄さんも、好きなものを前にしたらとても優しげな顔をする。だから、昔から兄さんとなら甘いものを食べるのは好きだった。
「おれ、その笑顔見れただけで、なんか不思議とうれしくなる、から…」
瞬間、頭をぐっと兄さんに抱き寄せられた。
何事かと驚いたが、そのまま手のひらで抱かれた頭をまた乱暴に撫でられる。
「ちょ…」
「いくつになっても可愛いな、お前」
「はあ?」
どこがだよとは思ったが、まずは兄さんの腕を逃れたい。
兄さんは木陰にいたからそれほどでもないだろうが、おれは朝からずっとチャクラを練って体を動かしていたから汗をかいてしまっているのだ。身だしなみをそれほど気にかけているわけじゃないが、汗でべとべとなのは気分が悪い。そしてそれが兄さんの服に付いてしまうのもいやだった。
「兄さん」
「なんだ?」
「おれも買いたいものができた」
「買いたいもの?」
問われて頷く。
「服。汗を拭いて着替えたい」
折角兄さんと出掛けるのだから、さっぱりしておきたい。
遠目には漸く目指す町並みが見えてくる頃だった。
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変化球投げるぞぉぉぉ!と事前に宣言しておいたので、きっと春壱さんなら大丈夫!
サスケといえば衣装チェンジ。
汗を拭きたい。新しい服に着替えたい。そんなサスケのお願いに兄さんはどう答えてくれるのか…!
サスケ誕まであと一週間。残りは二人合わせてあと10話。
うん。これ、既に大晦日の更新ラッシュが思い出される展開だな。