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概要:「NARUTO」女性向け二次創作テキスト共同サークル企画・連絡所  傾向:うちはイタチ×うちはサスケ

照れ屋な彼のセリフ_4.「照れて悪いかよ」(式)

「絶対にチューしてはいけない24」
設定:21才暗部イタチ×16才中忍サスケ。同居実家暮らし。
縛り:ブラコンだけど、できてません。 ほっぺやおでこへのキスはセーフ。

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 傷に付ける軟膏を貰いに里の医局へ寄った帰り、その廊下で兄のイタチと出会った。
「なんだ、アンタもどこか怪我をしたのか」
 イタチが傷を負って帰ってくるなど滅多にない。ただざっと見たところその様子もない。
 イタチは忙しく廊下を行き交う医局の者や患者の邪魔だからとおれに端の長椅子へ座るよう言った。続いて自身も隣に腰を下ろす。
 やはり怪我をした風ではない。しないのだ、血の臭いが。
 イタチの目的はすぐに知れた。
「お前が怪我をしてここにいるとナルトに聞いた」
「……」
 余計なことを、と思う。あのうすらとんかちが任務帰りに偶々兄さんに声を掛けられ、大袈裟におれの怪我のことを言ったのだろう。
 だいたい兄さんも兄さんだ。おれは忍だ。任務に出れば怪我くらいして帰る。わざわざ兄さんが医局まで出向くようなことじゃない。
「…アンタ、任務は」
 訊ねると、「極秘」と返される。
 そう言われてしまえば、おれには食い下がる言葉も追及する権限もない。
 兄さんは暗部だ。おれと同じように任務帰りなのかもしれないし、あるいは召集前なのかもしれない。そういえばここ数日は家の中はもちろん里内でもその姿を見ることはなかった。兄さんがいない生活がおれにとって当たり前になり始めている。
「それよりお前、怪我は?」
 イタチはおれの体に治療の跡を求めているようだった。
 肩を竦める。
「大した怪我じゃない」
 掠り傷程度だ。
「…しくじっただけだ」
 手持ち無沙汰に処方された軟膏を宙に投げて遊ぶ。
 すると何度目かに横からあっという間に奪われた。軟膏も、腕も。
 手首を取られ、右の前腕を目の高さまでぐいと上げられる。イタチの前に晒された肌には擦過傷があった。
「…なんだ。本当に大した傷じゃないな」
「だからそう言った」
 イタチの言う通り、本当に大した怪我ではないのだ。見た目に反して傷は浅く、忍であればこれくらいのことは当然だ。医局へ寄ったのも半ば強引にカカシたちに背を押されたからで、おれの意思ではない。
 にも関わらず、これではおれが大袈裟に振る舞ったようでどうも釈然としない。勝手にここへ来たのはアンタだろう。
「そんな傷を負わされるようじゃ、まだまだ修行が足らないな」
「……」
 むっとする。だが本当でもある。
 傷は、護衛任務中に敵方の強襲を受け、こちらの指示を守らず怯えて逃げ出した依頼人を無理に庇って付けられたものだ。
 きっともっと巧い手があった。兄さんならこんなへまはしない。絶対にしない。
 だから、おれは言い返すことが出来ない。
 イタチは容器の蓋をからりと回し、乳白色の軟膏を指に掬った。それからもう一度おれの手を取り、傷口にそっと触れる。
「ん…」
 僅かに肌が跳ねた。気付かないイタチじゃない。
「痛いか?」
「…べつに」
 つんと香る軟膏。
 それが少しずつおれの傷口に引き伸ばされ、染みていく。
「サスケ」
「なんだよ」
 だいたいどうしてアンタがそんなことをしている。
 わざわざアンタにしてもらうようなことじゃない。
 なのにおれは今を止めることが出来ない。
「何も言わないのか」
「何をだよ」
「人を庇ったんじゃないのか」
 顔を上げる。
 だがイタチはおれの傷の具合を見ていた。
 取られたままの手が温かい。意識をすればするほど、おれは今兄さんに手を握られているのだと、そう感じる。イタチの手の中でおれの手の指がもぞもぞと居心地を探して伸びたり曲がったりを繰り返した。
「どうしてそれを…」
「ナルトに聞いた」
「あの野郎」
 ぺらぺらと余計なことを。
「…庇った相手は護衛対象、任務の内だ。それに任務中におれがしくじったことに変わりはない」
 言い訳はしない。
 イタチに言うことでもない。
「それはそうかもな。だが、」
 イタチは軟膏を塗布していた指はおれから離した。
 しかし握っていたもう片方はそのままだ。
 ぎゅっと繋がれる。
 イタチはいつの間にかおれをひたと見つめてくれていた。
「よくやったな、サスケ」
 息が止まる。
 再開したら胸がいっぱいに膨らんだ。
 口許がむずむずして、やはりおれに返す言葉なんてない。
 でも心ごと抱き寄せられたようで、じんと心に沁み入った。
「…いいのかよ、暗部のアンタがそんな甘っちょろいことで」
 そんなおれの憎まれ口もイタチには及ばない。
「おれはお前の指導教官でもなければ、同じ管轄でもない。おれはお前の兄貴だからな。いいんじゃないか」
「…兄さん、だから」
 俯いたおれを結んだ手の先でイタチが微笑う。
「なんだ、照れてるのか、お前」
「うるせーな」
 分かっている。
 自覚はある。
「照れて悪いかよ」
 この歳になっても兄さんに褒められることがこんなにも嬉しいだなんて、おれだってちょっと戸惑う。

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お題配布元:「確かに恋だった」さま

兄さんに褒められてうれしいサスケ。
今日は兄さん、サスケのハートにキスしちゃったんだぜ!
結論。兄さんがサスケの兄さんしているのが萌え…!
兄さんの「兄属性」たまらんです。そしてサスケの「弟属性」たまらんです。
相性ぴったりじゃないか、この二人!

そもそも兄弟萌えなので、兄さんの「兄さん」っぷりと、サスケの「弟」っぷりがとてもツボです。
なんでも完璧なのについ弟には甘くて過保護になる兄さんとやんちゃだけどお兄ちゃん大好きな健気弟萌え。

六月が終わる!
30日までしかない六月が終わる!

そろそろ小ネタで乗り切っていかないと…!
次のお題は小ネタっぽい感じでいこうと思います。「照れ屋サスケ」は次でラスト―!

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