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シリアスな本編の裏側で兄さんの本音はこんなだったかもしれない・・・
カッコイイ兄さんはどこにもいません。キャラ崩壊警報。
サスケ厨を盛大にこじらせた兄さんしかいません。
高台から里を見下ろす。
まだ火がくすぶっているところがあるのだろうか。町のあちこちからもうもうと立ち込めている煙。
遠く金槌をふるう音が幾重にも聞こえる。里の復興が始まったのだ。
「故郷にはやはり未練がありますか?アナタでも」
隣で同じく里を見下ろしてい鬼鮫が問うてくる。
「いいや・・・まるでないよ」
なんてね。嘘です。あります。
めっちゃ懐かしいです。木の葉めっちゃ帰ってきたかったです。
だってもう5年も帰ってないんだよ?
しかも大好きなサスケおいてきてんだよ?
未練だらけにきまってるだろう、まったく。
昨日、鬼鮫と木の葉行って来いって言われて嬉しくてあんまり寝られなかったんだぞ。
しかし、守衛があんなにあっさり幻術にかかって眠りこけてしまうとは・・不用心なことこの上ない。セキュリティ何とかしろ。セ○ムの方がよっぽど優秀だ。
でもまあ、俺にあっさり警備を潜り抜けられたと知ればダンゾウも考え直すだろう。
あ、あと俺は生きてるから。
サスケに手出したら殺すから、マジで。
今回すごい月読考えてきたから。サスケに手を出したらお前にそれ使うから。
72時間ぶすぶすやるやつ!
情報収集もかねて茶屋に立ち寄る。
わかっていたけどこのコート目立つよね。
だってほら、さっきから視線めっちゃ感じる。
多分今頃つい○たーとかで「暁なうwwwww」とか言われてるぞ。
はー、しかしやっぱり木の葉の団子は美味しい。
他の里のはちょっと違うんだ。
お姉さん、持ち帰りに一包ください。
やがて、店先にカカシさんが現れた。
あ、ほらやっぱり気づかれた。ネット社会怖いな。
「ここでまちあわせしてんのよ。サスケとね」
あからさまにケンカ売ってるよなこの人。さりげなく俺に聞こえるように言ったよね?
サスケと茶屋で待ち合わせだとぉおおおおお!!!
許さん、兄さんホモなんて許さんぞサスケェェエエエ・・!!!
「カカシ、アンタが先にいるなんて珍しいな・・」
サスケキタァァアアアアア――――――(゚∀゚)――――――――!!!!
大きくなって・・!!大きくなって・・・!!(涙)
ああ、でもやっぱり線が細いな。ちゃんと食べてるのか?野菜とか。兄さんもうそれが心配で・・
「イタチさん」
上忍3人のお出ましに鬼鮫も何やら察したようだ。
「一時、離れよう」
今はまだサスケに会うわけにはいかないので俺たちは茶屋を後にする。
新しいコスチュームのサスケもっと見たかったのに・・ショボンヌ(´・ω・`)
後でデイダラから聞かされたが、やはり俺たちの目撃情報はつい○たーに上がっていたらしい。
「コート目立つwwwww 」「存在感自重しろwwwwwww」とか書かれていたらしい。
まったくいやな世の中だ・・!!
すみませんすみませんすみませんすみません!!
最近シリアス続いたのでちょっとブレイクしたかったんです。。
ブレイクしすぎましたが・・
朝霧の帰郷編とか書いてますが続きません(笑)
『歴史にたら、れば、はないんだよ』
その時代に起こったことはすべて必然だから。
起こすべくして起こった歴史の上に今がある。
だけど、それでも思わずにはいられないんだ。
もっと早く生まれていれば
駄々をこねて、困らせて、任務に出かける兄さんを引き留めれば
思わずにはいられない。
思わずにはいられないんだ。
サスケを突き動かすのは憎しみともう一つ、「どうしようのなかったこと」、「何もできなかったこと」、「知らなかったこと」への後悔なのではないかと。どうやっても手が届かないもどかしさが憎しみを増長させているのかも・・と思います。
電車に乗ること2時間。俺とイタチは電車を降りた。
長時間座りっぱなしで固まった体をほぐすように伸びをする。イタチの肩に凭せ掛けていた体の右側だけがまだほっこりと温かい。
山奥のせいか、自分たちの住む場所よりもぐんと気温が低い。頬がぴりぴりと痛み、吸い込む空気の冷たさで鼻がつんとする。すぐそばに見える山の端はうっすら雪化粧をしている。
イタチは1時間に1本しかないという幻のようなバスの時刻を見に行っている。
駅の周りは思っていたよりは開けていた。小さいバスロータリーの周辺には土産物屋や聞きなれない名前の地方銀行や店主が店の奥で居眠りしてそうな本屋があった。
このあたりの人間の足と言えば車だからか、道を歩く人の姿はほとんど見られない。
駅の改札を出てすぐ正面には雨風にあてられてすっかり色あせ、汚れた狐のマスコットが間の抜けたポーズをとっている。それがかえってこの町が寂れ行く一方なのだということを物語っているようだ。
「サスケ」
呼ばれて振り返る。イタチの手には駅でもらってきた周辺マップがあった。
「次のバスまで1時間近くある。それまでに何か食べるか?」
そう言えば電車の中でも言っていたな。
朝が早かったので、そろそろ腹も減ってきている。初めて会う一族の前で腹の虫を泣かすわけにもいかないだろう。俺は頷いて応えた。
しかし、乗り継ぎが悪いとは聞いていたが本当に悪いな。
都会では当たり前のように思っている公共交通機関という恩恵はこの山奥には届かないらしい。そう言えばさっき時間を見るために携帯を開いたら圏外になっていた。今、イタチとはぐれたら確実に俺は帰れなくなる。
イタチがとってきた周辺マップを覗き込む。町の名前とその下に『ようこそ!』と妙にポップな字体で書かれている。聞いたことがない観光名所とやらや、一応温泉もあるらしい。おすすめグルメスポットとも書いてあるが・・
「これいつのだよ」
四隅が焼けたように色あせ、地図に載っている店と、今、目の前にある景色が一致しない。
「1年以内のものではないな」
使えねぇじゃねぇか。
時間はあるので、周辺をぐるりと探索することにした。
俺たちが乗ってきた電車は次の客を乗せるために停車しているのが見えた。
帰りもタイミングが悪ければこのクソ寒い駅で待つことになるんだろう。そう思うと少し億劫になった。
駅の反対側に小さな食堂があった。ひどく年季の入った暖簾をくぐると、ふくよかな女性の「いらっしゃい」という声が飛んできた。
「二人なんですが・・」
さして混み合ってもいないし好きなところに座ればいいんじゃないだろうかと思ったが、黙っておいた。
「空いてるとこどーぞー!」
言われて俺たちは入り口から離れた店の隅に腰を落ちつけた。
腕をのせればかくんと傾いてしまいそうな足の細いテーブルの上にはメニューと調味料、そして割り箸が置いてある。メニューを開くと、丼もの、定食、麺類と分かれていた。案外こういう田舎の食堂の方がメニューが豊富なこともある。ここはそんな店の一つのようだ。
イタチはにしんそば、俺はわかめうどんを頼み、2個入りのいなりずしを一皿頼んだ。
女将の威勢のいい声にこたえるように主人が料理に腕を振るっているのが見える。麺をゆがくために火にかけられた鍋からもうもうと湯気が立ち込めている風景がどこか温かい。調理場に近い席では、常連らしき年配の男たちが冷蔵庫から小鉢料理を取り出して女将に小銭を渡している。都会では見かけない光景に自然と目が引き寄せられた。
「疲れたか?」
イタチが気遣うように尋ねてくる。
「別に」
電車の中で寝ていたからか疲労感はない。寄りかかって眠っている間中、頬から伝わっていたイタチの体温を思い出す。
もともと優しい兄だが、あんな風に唐突に向けられる優しさが親心ならぬ兄心なのか、それを少し踏み越えた情愛なのか測りかねる時がある。
もちろんどちらもイタチの優しさに変わりはない。そのどちらを向けられても嬉しいのも事実。なのに、その一つ一つに優しさの出処を求めてしまう自分がひどく女々しく、浅ましく感じられて嫌になる。
イタチなら自分から向けるどんな優しさもそのままに受け取るのだろうに。
「おまちどおさま」
相変わらず威勢のいい女将の声が思考を遮り、二人分のどんぶりが置かれた。二人の間でゆらゆらと湯気とかつおだしのいい匂いが立ち上る。
割り箸を割って二人そっと「いただきます」と手を合わせる。
あつあつのつゆが冷えた体をじんわりと温めてくれる。視線だけイタチに寄越すと、俯くと後ろ髪が落ちてくるようで、片手で髪を押さえながら麺を啜っている。
女みたいだな・・むしろそこらへんの女のしぐさより色っぽいんじゃないだろうか。
俺の視線に気づいたのか、「どうした?」とイタチが首を傾げた。
「髪、大変そうだなって思って」
イタチを見つめていたことを気付かれたかと思うと妙に恥ずかしくて、紛らわすように器に口をつけるとまだあつあつのつゆで火傷した。
「あつ・・」
慌てて水を流し込む。
「大丈夫か?」
そう言ってイタチの指が俺の唇に触れた。
どくんと心臓が跳ねた。
「平気だ」
そう言ってイタチの手を唇から離した。
ほら、
ほらな
俺はまたアンタの優しさの動機を測りかねて動揺するんだ。
旅の途中で腹ごしらえ。しかし、うどんといなり一個じゃ足りないよね?高校生の食欲舐めたらあかんと思いつつ、サスケも兄さんも小食のイメージ。特に兄さんは食べることに無頓着そう。。。
それにしてもなかなかマダラさんに会えませんなぁ(笑)
ではでは続きを式さんにパス♪
設定:21才大学生イタチ×16才高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
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「充電が持たないぞ」
暫くすると携帯電話を弄り始めたサスケを注意する。十分ほどは放っておいたが、仕舞う気配はない。何かあったときに充電が切れていては用をなさないだろうに。
「取り上げだ」
おれはサスケの手から携帯電話を抜いた。すぐにもう一度取り返されるが、今度はちゃんと仕舞われる。
「退屈か」
問うと曖昧な返事。それを更に誤魔化すようにサスケはふいと車窓の景色に目を転じてしまった。
徐々に人家が疎らになる。田畑が現れ山々が近くなってはいるが、目的地はまだ先だ。
携帯電話を仕舞って以来黙りをするサスケに、
「本でも…」
買ってくればよかったなと言い掛け、口を噤む。
サスケはいつの間にか目を閉じていた。眠っているのかもしれないし、ちょうど睡魔に誘われたところなのかもしれない。幅の狭い窓の枠に器用に肘を付き、乗せた頬をうつらうつらと微かに上下させている。電車の僅かの振動が、こめかみの触れた窓からサスケに伝わっているようだった。
このままでは他の電車とすれ違う際の、あのどんという衝撃に驚いて目覚めてしまうだろう。
おれは肩ごとサスケを抱き寄せた。
サスケの眸が半分ほど開く。
「…なんだ…?」
「こちらへ凭れ掛かってくれていい」
「…そうかよ」
大きな嘆息ともとれる一息とともに、また静かで規則正しい寝息が始まる。今日は下ろした前髪が深くサスケの寝顔を隠す。
このまま寝かしておこう。凭れ掛かられることも、その重みも呼吸も、触れたところから伝わる体温も心地好い。
そうしておれもまた携帯電話のアラームを掛け、目を閉じた。
次に気が付いたのは、外の景色がすっかり枯野に変わるころだった。ちらちらと降る雪だけが世界に色を添えている。
胸の内で震える携帯電話のバイブレーションを止めて切る。目的の駅まであと三十分といったところだろうか。
隣のサスケは起きていた。また携帯電話を弄っている。
おれに気が付くと、さも分かっていると言いたげにそれをポケットに仕舞った。
「あと三十分くらいだな」
ぽつり呟くサスケは眠る前と変わらない、おれの肩に凭れたままだった。車内に人影があまりないとはいえ、外では滅多になつかない弟だ。預けられた重みに、そういえばこの頃は構う暇がなかったなと思い返す。
「なあ」
と、サスケが言った。
「うん?」
「マダラってどんな奴なんだ?」
「…どんな、か」
問われ、考える。
うちはマダラ。彼を表すのは難しい。
「一族の中でも一際才覚のある人物、だな」
「…兄さんよりもか?」
そんなサスケの反応に苦笑する。
「自分よりも優れた人間はごまんといるものだ。だが、確かにマダラは不世出の才だったのかもしれないな」
だが、だからこそ誰も、一族すら彼の全てを理解することは出来なかった。
若い頃は政治にも携わっていたと聞くが、一族唯一の理解者と言われる弟を失って以来、盟友とも袂を別ち、田舎へ引っ込んでしまった。
おれもマダラの孤独と苛立ちが解らないわけじゃない。
「兄さん…?」
ふとサスケに見つめられているのに気づく。
少し思考が沈んでしまっていたようだ。
またぽつりぽつりと人家が見え始める。うちはの集落は人里離れたところにあるが、駅の辺りは昔ながらの田舎町だ。正午は疾うに過ぎてしまったが、食堂くらいは空いているだろう。
「サスケ。着いたら何か食べるか?」
古い車体はゆっくりとブレーキをかけ始めていた。
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マダラの設定とかその場の思い付きで書いているんですが、何者なんだ…?
そして同じタイミングで春壱さんが「63」をアップして下さったので、「64」に訂正。
ではでは春壱さんにパス!いつ挨拶できるんだか!
任務を終え、イタチはシャワールームで汗と埃と血で汚れた体を洗っていた。勢いよく流れるシャワーを止めて、髪や腕の匂いを嗅ぐ。もうかれこれ同じことを3回ほど繰り返した。少し前まで聞こえていた他のシャワールームにいた忍び達はいつの間にかいなくなっていた。
ロッカールームで母が出かけに持たせてくれた着替えに袖を通す。住み慣れた家の匂いがして一時、心が穏やかになる。
すっかり日の落ちた里の大通りを一族の集落に向かって歩いていく。
夕飯時のせいか、あちこちからほっこりとしたいい匂いが漂ってくる。温かくて優しい時間だ。
いつもなら、こんな何気ない日常の出来事でしばし慰められたりするのだが、今日はそうもいかなかった。どんよりと肩にのしかかった闇がどこまでもどこまでも付き纏う。
今日、初めて人を殺した。
まだ手に残る、苦無が皮膚を破り、筋肉へ食い込む感覚。
人ではない何かに変わってしまったような恐怖と絶望。
自分がもう二度と帰れない場所へ来てしまったような気がした。
玄関を開けると、待ちかねたようにサスケが走ってきた。
「おかえり!にいさん!母さんがご飯できてるよって!いっしょにたべよ!」
満面の笑みでイタチに飛びつこうとするサスケを受け止めてやろうとして、やめた。
「すまない、サスケ。少し疲れたからもう寝るな」
そう言ってサスケの額をこついた。
背後で状況が呑み込めず、ぽかんとしているサスケの気配を感じたが、イタチは振り返らなかった。
ごめん。
ごめんなサスケ。
この手がただ抱きしめるためだけにあったらよかったのに。
兄さんは優しい人だから初めて人を殺した時は辛かっただろうなぁと思います。
でも実際兄さんが人を殺めたのっていつなんでしょうね?
暗部13才イタチと8才アカデミー生サスケ
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里の通りで仮面をした忍数人とすれ違う。
兄さんと同じ面だ、とサスケが彼らを他意なく見上げると、普段はサスケの歩幅に合わせるイタチがサスケの手首をぐいと引っ張って、それから急いたように結んだ。突としてのそれにサスケがたたらを踏んだのも気遣ってはくれない。
兄さん、とは言えなかった。
ただ握り返して、また強く握られるのが、今の兄のこころ内なのだと、それだけが理解できた。
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兄さんだって不安なんだ。隠しているけれど不安なんだ。それが「不安」だとはサスケにはまだ解らなかったかもしれないけれど、兄さんの心の揺れとか不安定さをサスケが思いやっているといいなと思います。兄さんもサスケもやさしいね。やさしいからしんどいね。と思います。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
デパートで挨拶に持っていく菓子折りを買い、イタチと俺は駅へ向かった。平日のラッシュ時と違い、人影はまだまばらだ。
改札の近くでは海外旅行にでも行くのだろうか。大きなトランクをひく人たちの姿が見える。逆に手持ちの荷物が菓子折りの煎餅だけの俺たちの方が浮いているような気がした。
イタチは券売機の前で目的地までの金額を確認している。今日はこのぐるぐると回り続ける路線から遠く離れた場所へ行くんだな・・とぼんやりと交錯する路線図を見ているとイタチは隣で切符を買っていた女性が落とした小銭を拾ってやっていた。その流れるような所作は紳士的というのだろう。手渡された女性の頬が赤くなり、おずおずとお礼を言っていた。
おい、だからその笑顔の安売りやめろって。この天然タラシ。
「サスケ、ほら」
そう言って差し出された切符をむしり取り、すたすたと改札へ向かう。
どうせイタチにとっては見知らぬ女性に優しくするなんて些細なことで、そのことでいちいち乱されている俺の気持ちなんてどこ吹く風なんだろう。
自分でも小さいということはわかっているんだ。嫌になるくらい。
環状線が人身事故で遅延という電光掲示板の表示が目の端に映った。
ふと、昨夜、電車が遅延にでもなればいいと考えたことを思い出し、ばかだな、と浮かれた自分を一笑に伏した。
俺たちが乗る電車はホームのはずれの方にあった。ローカル線ということもあり、停車している電車に近づくにつれて人影はまばらになった。
イタチに先に行っててくれと声をかけ、自販機の前で立ち止まる。
汗をかくような季節ではないが、暖房のきいた車内では喉が乾燥するだろうと思い、温かいペットボトルのお茶を買った。
席に着くとイタチがコートを脱ぎ、荷物を網棚に乗せているところだった。
車内はロマンスシートでところどころボックス席にしてあった。
「飲み物買ってきた」
そう言ってペットボトルを座席の背についているホルダーに入れた。席に着こうとして通路側にイタチのコートが置いてあるのでよけようとすると「お前は奥だ」と言われた。
「は?」
「窓際の方が景色が見えるだろう?」
「子ども扱いすんな。そんなんどっちでもいい」
「じゃあ、お前が奥だ」
そう言っておかしそうに笑った。
席に着いてダウンジャケットを脱ぎながら、俺はポケットに入れたものの存在を思い出した。それを取り出してイタチの膝に投げる。
「?サスケ、これは?」
「見てわかんねーのかよ。しるこだよ」
「いや、見ればわかる。どうして俺に?」
「・・甘いもの買ってないだろ」
デパートでイタチは俺が昔から好きだった煎餅を贈答用とは別に買った。しかし、それ以外には何も買っていない。もともとイタチは甘党なので、煎餅だけでは物足りないんじゃないかと思っただけだ。もっとも1本100円の安物の甘味だから味の保証なんてないが。
「そうか」
とイタチはふふっと笑った。
あークソ。イケメンだな。
「不味かったら捨ててくれ」
「大丈夫だ」
そう言って冷気で冷えた手を温めるようにお汁粉の缶を握った。
やがて独特の声で車内アナウンスが入り、扉が閉まった。ごとんと古い車体がゆったりと動き出す。人が増え始めた繁華街の景色が後ろへ後ろへと流れていく。
そう言えば、俺はうちはの親戚のことをろくに知らない。せいぜい、小さい頃にイタチと一緒に遊んでもらったシスイとその家族ぐらいで。
兄さんは会ったことがあるのだろうか?これから尋ねるマダラという奴に。
自分の家が由緒正しい家柄であるということは小さい頃から教えられてきた。しかし、実のところ俺にはそれがどれほどのものなのかよくわからない。俺にとってのうちはという一族は兄さんや両親から聞かされた情報がすべてで、実際はどんなものなのか想像もつかない。
『さすが、うちは一族の子だ』
会えば一族とやらに、きっとそう言われるんだろう。兄さんは。
そんなの当り前だ。兄さんはいつだって完璧だからな。
俺が嫌なのは自分が劣っていると言われることじゃない。口に出さなくてもわかる、あからさまにイタチと俺を比較する目、「優秀な兄に比べてどうなんだ?」と値踏みする目を俺に向けられることをイタチが気にしていること。それを俺に悟らせまいとしていることも、「お兄さんのように頑張って」と言われる俺を見るたびに、イタチの表向きの笑顔が一瞬失せることも俺は知っている。
言っとくが俺は別に馬鹿でもなんでもないぞ。高校だって主席を維持し続けている。イタチが桁外れにできすぎるだけだ。
身内に変な気を遣わせる言い方ってどうなんだよ。少し考えればわかることだろうに・・
俺が一人で思考をぐるぐるさせているのがわかったのだろうか。イタチがいつの間に買ったのか、車内販売のみかんを差し出してきた。
「意外と甘いぞ」
俺は素直に受け取る。イタチの前のホルダーにはこれまたいつの間に開けたのかお汁粉の缶。
おい、それ飲んでみかん食って甘いって言えるのか?甘党の舌はいろんな甘さを感知できるのか?それともそれもアンタの類まれなる才能なのか?
俺がふっくりとしたみかんの皮を剥きながらまじまじとイタチを見ていると、最初の停車駅を告げるアナウンスが入った。
「先はまだ長いな」
イタチはそう言って、お汁粉に口をつけた。
だから、その食べ合わせどうよ?!
そんなこんなで電車に乗りました。
うちは一族のお家までの生き方がわからないのでしきさんにナビをお願いしようと思います。
しきさんの書く兄さんはスマートでかっこよくてドキドキしますね。この先どんなかっこいい兄さんが見られるのか楽しみv
どうもうちのサスケが兄さん厨をこじらせます。
前回サスケ君が欲望駄々漏れにしてしまったので今回は自重。
あれです。深夜テンションです。夜中にポエム書くような感じです。