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高架下を潜り抜け、脇道に入ると一台のメルセデスが停まっている。
俺はその扉をあけ、体を助手席に滑り込ませた。
「用件はもういいのか?」
「ああ。出してくれ」
運転席の男に言うと、ゆっくりと車が動き出した。
先ほどまでいた高架下に目をやるが、あの人の姿はもう見えない。
「一体誰なんだ?お前が会いたかった人物というのは」
「そのうちアンタに会わせるよ。ビックリするぜ。多分」
ハンドルを切りながら助手席の叔父、マダラは「そうか」とさほど興味なさげに呟いた。
俺のヨミが間違っていなければあの人は多分・・
渡したアドレスに連絡が来るかだけが心配だ。見た感じだいぶ謙遜するタイプだ。俺が渡したアドレスをドッキリか何かの類と思い込み、何もしてこない可能性もある。
しかし、俺は賭けるしかない。
「たのむぜ、兄さん」
俺は手の中のスマホを握りしめた。
今回はサスケ目線。
108企画中に終わるのは不可能っぽいですね・・終われなければブログサイトの方で続けます。
いつもはどんなことでもメールで連絡してくる弟が電話を使うなんて珍しい。しかも迎えに来てほしいだなんて一体どういう風の吹き回しかと思ったら、その疑問は簡単に失せた。
酔っぱらっていたのだ。
4月からゼミが始まり、その親睦会で半ば強引に連れていかれたらしい。もともと酒に強くないサスケはグラス1杯のカクテルで潰れてしまったのだとか。
店を出ても酔いが醒めず、一人で帰れないと悟り、電話をかけてきたというわけだった。サスケに言われるままにたどり着いた公園のベンチでサスケは蹲っていた。
「サスケ」
声をかけるとぴくんと肩が動き、顔を上げた。
「にい・・さん?」
酒を飲んでからどれくらい時間が経っているかは知らないが、サスケの顔はまだ赤く、目の焦点もとろりと失われている。
「立てるか?」
「ん・・」
酔いに加えて眠気も加わってきたようで、いよいよ体に力が入らなくなっている。俺はサスケに背に乗るよう促した。子供じゃあるまいしと嫌がるかと思ったが、存外すんなりと乗ってきた。今は体が辛いことの方が勝ったのだろう。
しかしさすがに重い。
この歳になってまた弟を背負うことになるとは思わなかった。幼い頃はよく外へ遊びに行った。サスケは大はしゃぎで走り回り、帰るころに電池が切れたように眠ってしまうので、帰りはいつもおぶって帰らなければならなかった。
いつからやめてしまっただろう?
もう覚えていないが。
「飲めないなら飲めないと言って断れ」
と軽く小言を言ってやると
「ジュースだって・・飲まされたんだ・・」
ぐりぐりと背中に額を擦りつけ、ぎゅっとしがみついてくる。
「俺は飲めないと言った・・ちゃんと・・・」
「わかったわかった」
だんだん子供のようにぐずり始めたので、早急に連れて帰り、寝かせることにした。
成人しても眠たいときに不機嫌になるのは相変わらずで、思わず笑ってしまう。それと同時に変わらないことがあることに少し安心する。
アパートに着くころには少し酔いが醒めてきたようで、家の鍵を出す間はじっと自分の足で立ち、おとなしく待っていた。扉を開けて先に入るよう促してやると、まだおぼつかない足取りで靴を脱ぎ、リビングへ入っていった。
人のベッドに倒れこむなり、猫のように体を丸めて横になった。
「サスケ、水、飲むか?」と問いかけるが返事はない。寝てしまったのだろうか?
「サスケ」
脇に腰掛け、サイドテーブルに水の入ったグラスを置いた。瞼にかかる前髪をそっとどけるとくすぐったいのか頭をもぞもぞと動かした。頬に触れるとまだほてりが残っていて温かかった。
すると、自分より冷たい手が心地いいのか、俺の手に頬を摺り寄せてくる。その所作はまるで
「猫みたいだな」
うっすらと開かれた唇を人差し指でなぞると、ピクリと唇が反応し、瞼を上げた。
「水、飲むか?」
グラスを指すと、こくんと頷き、酒で掠れた声で「飲ませて」と強請った。
「お前、今日は我儘だな」というと、サスケは眉間に皺を寄せ、拗ねた。
グラスの水を口に含み、顎を掴んでこちらを向かせる。サスケは待ち構えていたように口をうっすら開き、俺の舌を受け入れた。舌を絡めて伝わせるように水を流し込む。アルコールが抜けていないせいか口の中も舌も熱い。
「ふ・・ン・・んん・・!」
サスケが最後の一滴まで搾り取るように舌を絡め、啜ってくる。それに応えてやりながら自分の体の奥に灯る熱を感じていた。
まずいな
唇を離すと、物足りなさそうな顔でこちらを睨む瞳と目が合う。
「酔っているならもう寝ろ」
口の端に伝う飲み下せなかった水を拭ってやると、その手を取ってサスケが指を舐めはじめた。指先をくるりとひと回り舐めると、人差し指を咥えた。根元まで咥え、唾液を絡ませた指をゆっくり口の中から引き抜く。てらてらと濡れた指先と俺を交互に見つめ、指の間に舌を這わせ始めた。
「サスケ」
「酔ってるから・・いやなら突き放してくれ」
明らかに酒のせいだけではない赤みを頬に散らしながら絞り出すように言った。
酔いのせいだと言わなければ「したい」と言えない不器用な弟の誘い。カッターの襟から覗く鎖骨に吸い付き、朱の跡を残しながら応じることを伝えた。
108本番エロに向けてリハビリ。
書き留めていたネタから引っ張り出したものの当初どういうつもりで書こうとしていたのかさっぱり思い出せない・・
多分酔っぱらったサスケが兄さんに我儘いう・・だったはず・・
終わりは始まり
全ての憎しみの終わりは新たな決意の始まり
アンタはもういないけれど、アンタが背中を押してくれたから俺は歩いて行けるんだ
この先も
ずっと。
BUMPやバクホンの歌詞は萌えの宝庫ですよ・・!
式さんとのラインのやりとりで生まれる兄弟考察の一部より。
これはもっと練って深くしたいです。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー
すり寄せた頬から、回した腕から感じるイタチの体温。唇で触れられた耳が熱い。呼吸するたびに肺に入り込むイタチのにおいに眩暈がした。
「してほしいのか?」
イタチが冗談で言ったことはわかってる。風呂場でここではだめだと言われて不満げにする俺の顔を見ていたとはいえ、本気でここで行為に及ぶなんてことはしないことぐらい、わかっている。わかっているが・・
「してくれ」
抱いてくれ。アンタに抱いてほしいんだ。
イタチの浴衣を強く握りこむと、互いの体の隙間を埋めるようにイタチの腕が背に回され、一層強く抱きすくめられた。俺も縋るようにイタチに足を絡める。冷え切った爪先で触れられてさぞ寒いだろうと思いながら止められない。
「してくれ、にいさん・・」
子供だ。欲しいものが手に入らなくて駄々をこねるただの子供だ。イタチは背中に回した手で優しくあやすようにぽんぽんと俺の背を叩いた。
「お前、何か聞いたな?」
「・・・」
「聞いたんだな」
俺は答えない。イタチもそれ以上聞いてこなかった。
その代りに先ほど接吻けられた場所にもう一度唇を落とした。
「ん・・」
その優しい所作に背筋がそくりと粟立つ。唇は耳の裏からうなじへ、首筋を辿り鎖骨へと這わされる。イタチが体をずらし、俺の上に乗り上げてくる。その重みを感じながらイタチの首に腕を回す。冷えた爪先がじんわりと温度を取り戻し始める。
顎に、頬に優しく口づけられながら、俺は無意識にイタチの名を呼んでいた。それにこたえるようにイタチはこめかみに、額にキスを施していく。
優しい、優しい口づけだ。
胸に開いた空洞を、決して埋めることのできない虚無の縁を優しく撫でてくれる。
俺を傷つけるのがイタチの存在ならば、救うのもまたイタチの存在だ。
決して俺には注がれることのないものを受け取りながら、誰にも理解されない孤独を抱えた兄。
そのせいだろうか、いつからか父さんとうまくいかなくなり、母さんの心配もそっと受け流すようになってしまった。そのころからか、イタチの心はここではないどこか遠くにあるように思うようになったのは。
目を離せば、糸を手放してしまった風船のように、手の届かない場所へふわりと消えてしまう。俺はそれが怖くて仕方がなかった。兄は自分たちなどおいていつでもどこかへ行けるのだと思うと、自分の存在がひどく薄っぺらに感じられた。
それくらい俺にとってイタチの心の所在は覚束なかった。
だから俺は聞き分けがないと言われても、我儘と思われても縋るようにイタチを求めてしまう。どこにもいかないという確約を体を繋ぐ行為でとりつけようとする。わかっている。それだけではだめなんだ。伝えなければだめだ。
「サスケ・・?」
すぐ目の前にあるイタチの眼が大きく見開かれる。
感情が高ぶりすぎたのだろう。俺の眼から涙が零れていた。
「にいさん、どこにも行くな」
「サスケ?」
俺の言葉に反応するように涙がぼろぼろと溢れてはシーツにぱたぱたと落ちていく。俺は腕で顔を覆う。暗闇でもこの顔を晒すのはあまりにも情けない。
「いてくれ。ずっと・・」
兄さんがいてくれたらそれでいい。
なにもいらない。
いらないんだ。兄さん。
どんどんサスケが女々しくて辛い感じになっていきますね。
さあ、夜明けですよ!式さん!