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設定:21才大学生イタチ×高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
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翌朝、デパートの開店時間に合わせておれとサスケは家を出た。ちょうどうちはの家へ行く電車もデパートの近くの駅から出ている。
「寝不足なんじゃないのか」
バス停へ向かう道すがら隣を歩くサスケを見て問う。目の下に隈というほどではないにしろ、サスケの瞼はどこかまだ眠っているように重そうだった。寝起きに関してはおれよりもいい弟だ。やはり親戚廻りが心に掛かって寝付けなかったのだろうか。
ちらりとこちらを見上げたサスケは瞬きで目を逸らした。
「そんなことない」
と否定する。
片道三時間の旅程だ。電車では寝かせてやってもいいかもしれない。
五分ほど待ってバスに乗り込む。土曜日の遅い朝だからか、席も道も混雑はない。乗降客のいない停留所を幾つか飛ばし、やがて車窓の風景は住宅街からビル群、賑やかな繁華街へと変わっていった。
デパート前の停留所で降りる。母が買って行くようにと指定をしたのは老舗煎餅屋の菓子詰めだった。うちはとは古く縁のある屋号で、本店とは別にこの頃街中のデパートの地下にも店を出した。
「何にするんだ」
朝から家族連れで賑わうデパートの地下街。サスケはショーケースに飾られた品を覗き込んで言った。普段はあまりこういうものに関心を持たないはずだが、そういえば弟は昔からこの店の煎餅を好んでよく食べていた。
おれもまたサスケに倣い「そうだな」とショーケースを覗き、母から預かった金額から往復の交通費を差し引いた額の一箱を贈答用に包んでもらう。そうしてその間、支払いついでにレジ横の置かれてあった八枚一袋の煎餅も追加した。
ご一緒のものですかと問われ、別にしてほしいと頼む。小さな紙袋にだけ入れてもらった。
商品を受け取る。
と同時に隣のサスケが、
「ん」
と、片手はダウンジャケットのポケットに突っこんだまま、もう片方をおれへと差し出した。
思わずその手をまじまじと見つめてしまう。
するとサスケは焦れたようにもう一度ぐいとその手を突き出してきた。
「おれが持つ」
と、ぼそり言う。
ああ、きっと女性だったなら嬉しいのだろうなと思う。だが残念ながらおれは男で、お前の兄貴だ。
おれはサスケの額を小突いた。
「こういう時は兄貴を立てろ」
小さい紙袋だけを渡す。
サスケは不服げではあったが、それ以上は逆らわなかった。大人しくおれが買った紙袋をひとつ提げておれのあとに付いてくる。
「イタチ」
「うん?」
「これはなんだ?」
サスケは自分が持つ小さな紙袋、その中の剥き出しの煎餅袋に目を落とす。
おれは「ああ」と答えた。
「お前も好きだろう、それ」
今から電車とバスを乗り継いで田舎の家まで行かなければならない。連絡が悪ければ、一時間に一本のバスだ、長く待つことになるかもしれない。その時に食べればいいさと言うと、サスケはまた大人しくなった。
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菓子折り買いました。サスケとイタチ、二人のもののとらえ方が違うのが面白いなあ。
春壱さんにパス!こんな話にしようよという打ち合わせは一切していないので、今後どうなるかが楽しみです。サスケは兄さんと××したいようですが、兄さんけっこう今のところ真面目系。
サスケは時々俺の蒲団に潜り込んでくる。
普段から一緒の布団で眠りたがるけれど、突然潜り込んでくるときは大体「怖い夢」を見た時だ。
潜り込んできたサスケは俺の顔を確認すると決まって泣き出す。そして、「いた・・兄さんいた・・」と繰り返した。
「サスケ、また怖い夢か?」
「兄さんがいなくなっちゃう夢だった。すごくいやな夢だ」
そう言ってまたすんすんと鼻を啜った。
「大丈夫だ。俺はここにいるじゃないか」
そう言ってあやしてやると、幾分か落ち着き、次第にとろとろと眠りに落ち始める。
「にいさん・・どこにもいかないでね・・」
サスケが微睡みながらつぶやいた。
俺は、答えなかった・・
「どこにもいかないよ」と言えない兄さん。
前回はこちら
目の前にいたのは人気アイドルグループKNH48のサスケだった。
普段の女装とは違って、有名なメンズブランドの服をさらりと着こなしているサスケも色気があり、思わずどきりとした。
「悪い・・急いでて・・怪我はないか?」
サングラスを受け取りながら、俺を気遣ってくれた。なんて優しいんだ!
アイドルの素顔はステージ上での笑顔や愛嬌とは裏腹に、性格が悪いだの愛想が悪いだの高飛車だのと言われるが、サスケはステージ上と変わらず、優しくてかっこいい。
俺がサスケに見惚れていると、遠くから甲高い声が聞こえてきた。声のする方を見やると、何人かの女性があたりをきょろきょろしながら駆けてくる。
「やべっ・・なぁ、アンタ悪いけどちょっと付き合ってくれ」
「は?」
俺が応える前にサスケは高架下の薄暗い柱の陰に俺を連れ込んだ。
サスケが俺の手を握っている・・!!握手会でもないのに・・!
夢のようだ。いや、これは夢だな。こんなこと現実にあるはずがない。
いい夢だなぁ。
サスケは柱に背を預けると俺の腰をぐいっと引き寄せた。
夢なのにこのリアルな感触・・!!
「なっ・・!?」
「しー!合わせてくれ」
動揺する俺の唇に人差し指をあて、顔が往来から見えないように俺の左手を柱につかせた。そしてサスケは自身の右手を俺の後頭部に回し、ぐいっと唇が触れそうなくらいに引き寄せた。
「?!$#%&@*」
傍から見れば、高架下でカップルがキスをしているように見えるだろう体勢だ。
当たり前だがいまだかつてこんなに近くでサスケの顔を見たことがない。さらにサスケのつけている香水のいい匂いが鼻孔をくすぐり、俺の心臓は爆発寸前だし、思考回路はショート寸前だ。
バタバタとせわしない足音が通り過ぎていき、あたりに誰もいないことを確認すると、サスケは俺の頭から手を離した。
「すまなかった。ファンの女の子たちに囲まれて追い回されて困ってたんだ」
サスケは申し訳なさそうに笑った。
「いや、構わないよ。人気アイドルは大変だな」
俺がそう言うとサスケは苦笑いした。あ、可愛い。
「そうだ。今度お礼させてくれないか?」
「え?」
「今日はこれから仕事があるから無理だけど、今度食事でも」
そう言って微笑むサスケの顔を心のアルバムに貼りつけまくる。
って、いやいやいやいやいや!!!
今なんて言った?
お礼?なんの?食事?誰と?俺が?サスケと?
「そ、そんな・・俺はなにもしていない」
今を時めく人気アイドルの顔を眼前3センチ(イタチの目測)で拝めた上に触れてもらえたのだ。これはむしろ俺がお礼をしなければならないところだ。
「いや、ホントに助かったんだ。だから、な?」
とサスケは強請るように首を傾げた。
さ す が ア イ ド ル !
俺はサスケのこの人しぐさで完全にノックアウトだ。無言で何回も首を縦に振ってしまった。
「よかった。じゃあ、これ、俺のアドレスね。空いてる日、またメールして」
そう言ってサスケはメモを寄越した。
サングラスをかけなおし、キャップを目深にかぶったサスケは「じゃあ、もう行くから」と言って駈け出して行った。
残されたメモとサスケの走っていた方を眺め、俺はしばらくその場から動けなかった。
一体どういうことだろう。これは。
街中でサスケに会えただけではなく、触れられて、メアドゲットだと?!!??
夢だろ?なかなか醒めないけど、これは夢なんだろう?
頭上で環状線が通り過ぎていく轟音を聞きながら、俺はただ立ち尽くしていた。
しぶとく続けているドルオタ兄さん。
そしてまだまだ続きます。
眠れない。
俺は布団に入ってからもう何度目になるのかわからない寝返りを打った。チクタクと時計の針の音がやけに大きく、「早く寝ろよ」とせかすように聞こえた。
眠れないのはいつもより少し早く布団に入ったからか、風呂から上がってパジャマ一枚でウロウロしていて少し体が冷えてしまったためか、明日、慣れない親戚廻りとさせられることに少なからず緊張しているからか。
いずれも、原因のうちなのだろう。けれどどれも本当の理由じゃない。
最大の原因はイタチと二人で遠出することの期待だ。
二人でかけるなんてしばらくぶりだろう。俺はぐるりと今年のことを思い出してみるが、初詣くらいしか思い出せなかった。
大学に入って忙しくなったせいか休みの日でも顔を合わせないことや、ロクに会話もないまま過ごすことが多くなった。だからこそ、明日一日は一緒にいられるのだと思うと、自然と気持ちが浮かれた。
だって片道3時間だぜ?これもう泊まりのフラグ立ってるよな?
兄さんは夕飯を食べて帰れるだろうと言っていたが、正直俺は「泊まりの準備していかなくていいのか?」と言いたいくらいだ。
俺とイタチのには誰にも知られてはいけないことがある。
それは俺と兄さんは体の関係と持っているということだ。
だってあの兄さんだぜ?惚れるなっていう方が無理じゃないか?
兄さん完璧なんだぜ。惚れるだろう、あれは。
の兄弟云々については俺は、多分兄さんも気にしていない。(と思う)好きになった奴がたまたま兄弟だった、それだけのことだ。
そんな秘密を共有したまま二人きりで出かける。
そのことに少なからず期待を抱かずにはいられない。いや、期待している。兄さんにその気がないかもしれないけれど、渋滞とか電車の遅延で泊まりになればいいのにと思っている。ていうかなれ。
家にいても二人きりで過ごせる時間は少ない。今まで幾度か体の関係も持ったが、それは両親が2、3日家を空けるとわかっているときくらいのものだ。キスくらいなら、互いの部屋で交わすこともできる。しかし、体を繋ぐとなるとそうもいかない。
健全な男子が好きな人を目の前にしているにも関わらず、毎晩お預けってこれはひどくないだろうか?
だから電車とかバス混んでくれ。俺は兄さんと一泊旅行がしたいんだ。土曜日の朝から出かけるというのもこれ幸いだ。泊まりになっても次の日は日曜で、休みだ。
父さん、良いお遣いをありがとう。
そうして俺はもう一度寝返りを打つ。
少しずつ沈み始めた意識の中で「明日、晴れるといいな」なんて子供じみたことを思った。
朝起きてこのブログを見てびっくり。しきさん、私ギャグテイストにする気満々いましたよ~(笑)
なのでタイトル詐欺の詐欺。シリアス文体の中にギャグを混ぜ込んでみました。
遠足前日症候群になったサスケ。しきさんから「翌日出発から」とバトン受け取ったものの、サスケが浮かれたあまり夜から抜け出せませんでした。
さあ、夜明けだ。今度こそ行ってらっしゃいということでしきさんにバトンパス♪
時間は待ってはくれない。
それは等しく与えられた摂理。
どうあがこうとも時の砂は流れるし、どんなに願っても時は規則正しく時間を刻む。
それが等しく存在する摂理
それでもつい願ってしまう。
あともう少しだけ、と。
病気や万華鏡を使った目がどんどん悪くなって行く最中、兄さんは「もう少しだけ、体がもってくれればいい」と思いながら、来るべき日に備えていたのかな・・と。
前回の1年前くらいのお話。
理科の授業が終わると女子たちは要もないのにイタチの周りに群がる。
わかっていてもわからないふりをして質問しにいく奴、わかってもいない癖にわかったという奴。そんな奴らをいちいち相手にしてやってるからなんともお人好しだ。
バカバカしいな。
イタチがそんな奴らに目もくれないことはわかっている。
わかっていてもイラつくのだ。どうしようもなく。
今だって「あ!そっか~わかったぁ」などとはしゃいでいるクラスメイトの女子がこの上なく疎ましい。
なぜそんなにひっつく必要がある?
わざとらしくブラウスのボタンを二つ目まで開けてみたりして、浅はかなことこの上ない。
ふと、意地悪してやりたくなった。
がしゃんとガラスの割れる音。
一瞬で落ちてくる沈黙。
「ワリ・・落としちまった」
割れた、いや、割ったビーカーの破片を無造作にかき集めたら案の定、手を切った。
「誰かほうきとちりとりを!」
イタチが一寸、厳しい声を上げた。バタバタと面倒見のいい委員長が走っていくのが見えた。
「素手で拾う奴があるか。見せてみろ」
イタチが俺の腕を掴んだ。ぴりっと静電気のように体に走る甘い感情。
触れた場所から熱を持ち、もっと触れてほしいと波紋のように広がる欲求。
イタチは取り出したハンカチを手に当てて、破片が入っていないかと傷の具合を確かめている。その労わるような手つきに胸がきゅんと絞めつけられる。
「早く保健室へ。誰かに一緒に行ってもらうか?」
「いや、いい。大丈夫だ。一人で行けるよ、イタチ先生」
するりと掴まれている手を解いた。名残惜しいことこの上ない。
イタチを見つめる俺の眼に意図的な何かを読み取ったのか、一瞬、イタチは眉を顰めたが、俺は素知らぬ顔をした。
すれ違いざまにちらりと女を見遣ると、後始末に立ち回るイタチをつまらなさそうに見つめていた。
どうだ?
お前がどれだけ時間をかけてイタチの気をひこうとも、ご自慢の胸を披露しようと俺は一瞬でイタチの心を奪えるんだぜ。
零れそうになる笑いを噛み殺して、俺はこっそり舌を出した。
高校生サスケは兄さんが自分に兄弟以上の感情を持っているとは思っていないし、避けられていることもわかっているけれど、なんだかんだで自分のことは放っておけないらしい・・ということはわかってるっていう。
独占欲の強いサスケ好きですvvv
実は兄さんの方が独占欲が強いとなお萌えます。