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設定:21才大学生イタチ×高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
ちゅ、じゅっと背後で立つ水音に気が削がれてイタチのものを咥えることに集中できない。イタチから施される快感に意識が持っていかれそうになる。それでも、したいと言った建前、舌を這わせようとしたとき、背中を押され、ベッドに俯せに寝かされた。
肩越しに見た俺を見下ろすイタチの眼には欲を潜ませた雄の光が宿っていて、その目にぞくりと背筋が震えた。
腰を上げさせられ、イタチが先ほど舌で解した場所をくにくにとさらに指で押し広げていく。前から滴る先走りを塗り込めながら開かれていく感覚に腰が揺れた。ちゅぷちゅぷと指が出し入れされ、きわどい場所に指があたる。あたるのに決定的な快楽に繋がらないことがもどかしい。
「はぁっ・ん・・にいさ・・も、挿れ・・て・・」
繋がりたい。隙間なく抱き合って、イタチを感じたい。
もっと焦らされるかと思ったらイタチは指の出し入れをやめ、俺の唾液で濡れた熱を押し当てた。
「挿れるぞ、サスケ」
ずぷっと指とは圧倒的に違う質量が侵入してくる。開かれる快感と、押し上げられる苦しさとがないまぜになり、気が遠くなる。
「んっ・・んんっ・・にいさ・・・あ・・」
「全部入ったぞ」
溜めていた息を吐くように耳元で囁かれた。それだけで腰がびくんと反応した。
右手で大きく膨れ上がった俺の熱を握り、昨晩風呂場でしたよりも激しく攻めたててきた。一方左手は腰から腹、そして胸の突起へと滑っていく。
気持ちいい。どこもかしこも気持ちよかった。
イタチから施される行為全てが気持ちよくて、愛しくてたまらない。
「動くぞ」
そう言ってイタチが腰を揺らす。内壁が張りつめたイタチのものに擦られ、比べ物にならないほどの快感に犯される。
「あっ、あっ、にいさ・・にいさん!」
イタチの動きに合わせるように腰を揺らすときゅうっとイタチを締め上げた。その刺激に自分の中に入った熱がまた質量を増したことに嬉しくなる。
「にいさ・・ん・・顔・・みせて・・」
兄さんの顔が見たい。肩越しじゃなくて正面から。どんな顔で俺を抱いてくれているのか、見たい。
そう言うとイタチは律動を止め、俺の体の向きを変えた。入れたままでぐるりと体を反転させたものだから、変に内側を刺激された。
イタチの緩く結んだ髪が乱れ、はらはらと肩や首筋に神が落ちてきている。その色っぽい姿に見惚れた。両手でイタチの頬を包むと、イタチは俺の左手を握り、その手の平に口づけた。
「これで、いいのか?」
「ああ」
イタチの首に腕を回すと、イタチは俺の腰を抱き、俺を揺さぶった。
「あっ、ああっ・・!にいさ・・はぁっ・・!!」
追い詰められていくにつれ、イタチの腰に絡めた足がぎゅうっと締まる。揺さぶりながら俺の頬や首に何度も何度も口づけが降ってくる。次第に荒々しくなる腰の動きとは反対に、優しく施されるキス。頭がぐちゃぐちゃになりそうだ。
「っ・・サスケ」
イタチも限界が近い。揺さぶるほどに体の隙間を埋めるようにきつく抱きしめられる。
「はぁっ、あっ・・!あん・・兄さん!にいさ・・あっ・・ああああああっ!!」
「っく・・」
どんと突き落とされるような感覚と共に目の前が真っ白になる。ぶるりと体が震え、俺は吐精した。ほどなくイタチも俺の中で精を吐き出した。
はあはあと肩で息をしながらイタチが顔を上げた。
「サスケ・・」
「にいさ・・んぅ」
啄むように口付けながらイタチは俺の顔を何度も撫でた。
その手の優しさを感じながら俺は微睡みの中に沈んでいった。
あけましておめでとうございます!!
見事にオーバーランしました!!
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー
腹のあたりでどろどろと熱が澱むのを感じる。
キスをされ乱されたからか、イタチの言葉に反応しているのか。
否、そのどちらもだ。
「本当だな?本当に何処にもいかないんだな?」
ずっと不安だった。
目が覚めたときイタチはまだ家にいるだろうか?
イタチはちゃんと帰ってくるだろうか?
明日にでも出ていくと言い出さないだろうか?
根拠のない不安がいつでも心の隅で燻り、じりじりと胸を焼いた。
イタチと体を繋ぎ合う関係になっても不安は消えなかった。むしろ大切にされればされるほど、思えば思うほど、シミのように不安は広がった。
その理由を、本当は知っている。
「お、俺が・・兄さんとしたいのは・・」
俺の頭を抱くイタチの腕を解き、イタチの瞳を見つめる。イタチはじっと俺の次の言葉を待っている。
「俺が兄さんを愛してるからだ」
心臓がどくんとひときわ大きく跳ね、全身から血の気が引いていく感覚と、羞恥で顔が熱くなる感覚とが同時に押し寄せ、目が眩む。
兄と弟という線を越えて愛しているのだ。どうしようもなく。
本来あってはならないことだ。だから不安になる。
いつかイタチがこの関係に見切りをつけるために出て行ってしまうかもしれない。引き際に関しては潔すぎるほど潔いイタチが、「サスケの将来のため」銘打ってある日突然ただの兄弟に戻ってしまうかもしれない。それが本来の姿だとわかっていても、俺はもう一人の人間としてイタチを欲してしまった。イタチの孤独も優しさも何もかも。だから―
「だから、抱いてくれ。兄さんに抱いてほしい。俺は兄さん以外いらない」
たったこれだけ書くのにえらい時間かかってしまった・・
時間がNeeeeeeeeeeeee!!!
そんなわけで、例のアレよろしくです!式さん!
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー
すり寄せた頬から、回した腕から感じるイタチの体温。唇で触れられた耳が熱い。呼吸するたびに肺に入り込むイタチのにおいに眩暈がした。
「してほしいのか?」
イタチが冗談で言ったことはわかってる。風呂場でここではだめだと言われて不満げにする俺の顔を見ていたとはいえ、本気でここで行為に及ぶなんてことはしないことぐらい、わかっている。わかっているが・・
「してくれ」
抱いてくれ。アンタに抱いてほしいんだ。
イタチの浴衣を強く握りこむと、互いの体の隙間を埋めるようにイタチの腕が背に回され、一層強く抱きすくめられた。俺も縋るようにイタチに足を絡める。冷え切った爪先で触れられてさぞ寒いだろうと思いながら止められない。
「してくれ、にいさん・・」
子供だ。欲しいものが手に入らなくて駄々をこねるただの子供だ。イタチは背中に回した手で優しくあやすようにぽんぽんと俺の背を叩いた。
「お前、何か聞いたな?」
「・・・」
「聞いたんだな」
俺は答えない。イタチもそれ以上聞いてこなかった。
その代りに先ほど接吻けられた場所にもう一度唇を落とした。
「ん・・」
その優しい所作に背筋がそくりと粟立つ。唇は耳の裏からうなじへ、首筋を辿り鎖骨へと這わされる。イタチが体をずらし、俺の上に乗り上げてくる。その重みを感じながらイタチの首に腕を回す。冷えた爪先がじんわりと温度を取り戻し始める。
顎に、頬に優しく口づけられながら、俺は無意識にイタチの名を呼んでいた。それにこたえるようにイタチはこめかみに、額にキスを施していく。
優しい、優しい口づけだ。
胸に開いた空洞を、決して埋めることのできない虚無の縁を優しく撫でてくれる。
俺を傷つけるのがイタチの存在ならば、救うのもまたイタチの存在だ。
決して俺には注がれることのないものを受け取りながら、誰にも理解されない孤独を抱えた兄。
そのせいだろうか、いつからか父さんとうまくいかなくなり、母さんの心配もそっと受け流すようになってしまった。そのころからか、イタチの心はここではないどこか遠くにあるように思うようになったのは。
目を離せば、糸を手放してしまった風船のように、手の届かない場所へふわりと消えてしまう。俺はそれが怖くて仕方がなかった。兄は自分たちなどおいていつでもどこかへ行けるのだと思うと、自分の存在がひどく薄っぺらに感じられた。
それくらい俺にとってイタチの心の所在は覚束なかった。
だから俺は聞き分けがないと言われても、我儘と思われても縋るようにイタチを求めてしまう。どこにもいかないという確約を体を繋ぐ行為でとりつけようとする。わかっている。それだけではだめなんだ。伝えなければだめだ。
「サスケ・・?」
すぐ目の前にあるイタチの眼が大きく見開かれる。
感情が高ぶりすぎたのだろう。俺の眼から涙が零れていた。
「にいさん、どこにも行くな」
「サスケ?」
俺の言葉に反応するように涙がぼろぼろと溢れてはシーツにぱたぱたと落ちていく。俺は腕で顔を覆う。暗闇でもこの顔を晒すのはあまりにも情けない。
「いてくれ。ずっと・・」
兄さんがいてくれたらそれでいい。
なにもいらない。
いらないんだ。兄さん。
どんどんサスケが女々しくて辛い感じになっていきますね。
さあ、夜明けですよ!式さん!
設定:21才大学生イタチ×16才高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
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マダラの話というのは、端的に跡継ぎ、というよりも彼の片腕についてのことだった。
うちはの結束は固い。だが、だからといって必ずしも一枚岩とは限らない。時代の流れの中この一族発祥の代々の地を離れたうちはもあれば、残ったうちはもいる。
そして弟を失い、夢半ばで破れたマダラは、失意の内でありながら、この地で新たに力を蓄え再起を図ろうとしていた。どう表舞台に戻るのか考えているのか、所詮人の心だ、おれは知らない。だが、
「お前、時々周りの者たちが愚かに見えはしないか。なぜこんな簡単なことも解らない、見通せないと思ったことはないか」
マダラの言ったそれだけは理解できた。
同時に見抜かれたとも思った。
十三の頃のことだ。
人より優れたゆえの孤独と苛立ち。
誰にも明かしたことのないそれがマダラとおれとの共通項になった。
「イタチ。おれのところへ来い」
そういったマダラの誘いも一興だと思っていた時分も確かにある。ままならない思いが制しきれず、父には逆らい、母の気遣いを受け取らなかった。サスケはまだ幼かったけれど、何か感じるところがあったに違いない。
距離を置くべき。そう判じた。判じていた。だが、
「来ないのだな」
マダラは酒を干して、言った。
マダラはおれの手、指の噛み痕を見ていた。風呂場でサスケに噛まれた傷痕だ。
それが理由か、と問われた。
これが理由だ、と答えた。
いつまでサスケがおれを必要とするかはわからない。サスケがおれと関係を持ちたがるのも、もしかすれば喪失を恐れる余り兄を慕う道をただ踏み外した一時の感情なのかもしれない。
サスケは強い。子供じゃなくなる日が必ず来る。きっとそれはもう遠くない。
だから、必要とされる間は傍にいたい。今のおれがサスケに与えられるもの、それがいつか大人になる彼の心を支えられるのであるのなら尚更に。
そうして、サスケのためじゃない。失いたくない。そう思っている、おれのために。
「弟は大事にしろ」
と、マダラはそれだけを言った。
イズナを守りきれなかった無念がどれほどのものか、サスケがいるおれには解り兼ねることだった。
マダラとの話を終え部屋へ戻ると、既に明かりは落とされていた。枕元の行灯だけが辺りを茫洋と照らしている。
サスケは並べて敷かれた布団に、こちらには背を向け横になっていた。眠っているのだろうか。おれもまた声は掛けずに隣の布団に体を横たえる。
けれど、彼の上下する背を見つめる内、ふと思うところがあって、足だけをサスケの布団に潜り込ませた。浴衣の裾を乱して肌に触れる。
やはり、冷たい。冷えている。
「布団に入っていたのに、冷えているとはどういうことだ?」
起きていると確信し、訊ねる。
けれど、彼は先程のおれのように黙りを押し通すつもりらしい、何も言わなかった。こちらを向くことすらしない。
「サスケ?」
「…何の話をしてたんだ」
何度か呼んで、漸く答える。
無論、言えるはずもない。余計な不安は与えたくなかった。
一族の話だと曖昧に返す。
彼は「そうかよ」とだけ相槌を打った。
胸が痛む。
全てにだ。
「サスケ」
「なんだ」
「抱いて寝たい」
お前を抱いて寝たい。
初めてサスケが振り向く。行灯の明かりがうっすらと赤く見せる眸は驚きに開かれていた。
「な、に言ってんだ、アンタ。さっきだって…」
「何もしない。ただ抱きたいだけだ。いやならいい」
言うと、サスケはぎゅっと唇を結んだ。布団の中、もぞもぞと端へ寄る仕草をする。
「本当に何もしないんだな?」
同じ布団に入るおれをサスケは訝しげな目で見上げてくる。それごと腕に抱いてもう一度体を横にしながら、おれは戯れに彼の耳に接吻けた。
「してほしいのか?」
冗談だった。からかったつもりだった。ばか、ちがう。そんな答えを期待していた。
だが、おれの胸に顔を擦り寄せたサスケは、
「してくれ」
そう呟いておれの腰に手を回した。ぎゅうと浴衣を握られる。
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昨日眠さのあまり、「ごめん!眠い!」と春壱さんに謝って寝てしまいました…ごめんなさい。でも今日は仕事が休みなので、一日中イタサス書くぞ!いくぜ108!
そして私のリクエストに答えてくれてありがとう、春壱さん!
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー
「イタチと話がある」
だから、お前は出ていけ。
意味深なマダラの言葉を背負ったまま人気のなくなった廊下を歩く。昼間は見えた美しい庭も今は雨戸で閉ざされて見えない。
あの時、イタチは俺の言わんとしたかったことをわかっていたはずだ。なのに知らんふりをした理由は一つしかない。
俺を早くあの場から遠ざけたかったのだ。
イタチとの差を比較されようが、イタチのようにできない自分にがっかりされようが今更どうでもいいと思っていた。それが同じ身内からであったとしても。そんなことにいちいち腹を立て、気にしていてはとても暮らしてこられなかったから。
だが、ここにきてはっきりと言われた気がした。
「お前ではない」、と。
なにが?
彼が望むすべてのことに対して応える人間が、だ。
自分に何かを期待してほしいわけじゃない。ただ、自分がマダラにとってとるに足らない存在であることを頼みもしないのに自覚させられた気がした。
こんなことは初めてではない。いつでもそれと自覚しては自己防衛の手段として目を逸らし、記憶の一番奥に押し込んで蓋をしてきた。それで何もない。何もなかったことに出来た。
それが今日はどうした?
自分がひどく落ち込んでいることがわかる。
普段であればすぐになかったことに出来ていたことに殊更傷ついているのはここがうちは一族の自分にもっとも縁ある場所だからかもしれない。
一族発祥の地であるにもかかわらず俺はイタチと違って今日まで一度もこの地へ来たことがなかった。知らない土地で見たこともない親戚に囲まれ、一族たちが口にすることの半分も俺には理解できない。俺はうちは一族のことを何も知らない。蚊帳の外だ。
風呂と温かい食事で体は温まっていたはずなのに、胸の奥はじわりじわりと氷が張るように冷めていく。言いようのない不安が、閉じ込めた真っ黒な感情の蓋を開けてしまう気がして俺は足早に寝室へ向かった。
布団に入っても一向に寝つけなかった。一体何を話し込んでいるのか、イタチが部屋に戻ってくる気配がない。気持ちが落ち着くどころか苛立ちに変わり、俺は布団を抜けた。
洗面所で顔を洗うと、冷たい水が、一瞬、停滞している思考と澱んだ感情を沈めてくれるような気がした。
洗面所を出たところで、裏にある台所から手伝いの女性達の話し声が聞こえてきた。普段なら気にも留めないがそこにイタチの名前が出てきたことで俺の足は止まった。
「マダラ様、後継者にあのイタチさんを考えてらっしゃるみたいよ」
「それであれだけ話し込まれているのね。でもまあ、当然よね。あれだけおできになる方だもの。マダラ様がかける期待も相当よね」
「大学を卒業したらこちらに住まわせて本格的に指導されるのだとか・・」
「そうしたら毎日あのお顔が拝めるのね!」
きゃあきゃあとはしゃぐ女たちの声を他所に俺はその場に固まっていた。
なんだって?
イタチがマダラの後継者に?どういう事だ?父さんもイタチも今までそんなこと一度も言ったことがなかった。イタチだって進路は自分の望むようにしたいと言っていたはずだ。
それともあれは俺に余計な気を遣わせまいとするイタチの嘘だったのか?
鉛のように重くなった体を引き摺るように部屋へ戻る。
部屋はまだ暗いままだ。
俺は窓を開け、縁側に腰掛けた。爪先が雪に埋まり、体温を急速に奪っていく。
夜半になり一層冷え込んだ空気が部屋に入り込んでくる。月明かりに照らされた庭に、雪がちらちらと舞って庭の木を、花を、土を一層白く染めるのだろう。
「風邪をひくぞ」
普段ならそう言われるはずの声が今は、聞こえない―
新展開って何?!予想外です(笑)
マダラさんから月読くらってサスケがめちゃめちゃメンタルになっていますね。
兄さん!早く助けてあげて!!
そんな感じで式さんにバトンパス♪
設定:21才大学生イタチ×16才高校生サスケ。同居実家暮らし。できてます。
担当:イタチ視点→式、サスケ視点→春壱
形式:リレー。
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先にサスケを風呂から上げ、どうせまだ誰もいないだろうから部屋へ行っておくようにと言いつけて、おれはシャワーコックを捻った。冷水を浴び、体に籠った熱を散らす。
腕の内で善がるサスケをいっそこの場で抱いてしまいたい。そんな衝動がおれになかったわけじゃない。
抱いたことは何度もないが、単純にもう一度抱きたいとは思っている。
だが、それらの思いも今は真冬の冷たい水で排水口へと流し込む。自制心や理性といったものだけが身の内に残った。
その後、風呂を出て、用意された浴衣に袖を通して先程の奥座敷へ行くと、思った通りそこにはサスケだけがぽつねんと胡座をかいて座っていた。所在なげという風ではないのが、この弟の本来の強さだろう。もう後ろにただ庇うだけの歳ではないのかもしれないな、とこの頃思うことが多い。それは今日は殊更に。
隣へ座ると、サスケは眉を訝しげに寄せた。
「風呂に入ったのに冷えているのは、どうしてだ」
訊ねられるが、苦笑いだけで押し通す。
人の機微には決して疎くはないサスケだが、まだこういったことまでは思い至らないらしい。しかし、そうだろう。おれが早くに手折ってしまったから、彼は年頃になれば見聞きするようなその手の知識を得る機会をなくしてしまった。
やがて座敷に座卓が運び入れられ、今晩の料理が手伝いの者たちによって次々に並べられていく。山菜、刺身、天ぷら、酒、それから土鍋が乗せられたコンロ。それに火を入れたところで、マダラも姿を見せ、夕飯となった。
三々五々集落の一族の男たちも集まってくる。宴会というほどの大仰なものでもないが、酒を酌み交わす場となるには、さほど時間は掛からなかった。
そしてやはり場の中心はサスケになった。時折こちらにも顔を出しているおれとは違い、この集落に住まう一族にとってサスケは新顔だ。囲んであれこれ様々訊ねるが、しかしサスケが相も変わらず無愛想に「ああ」だとか「別に」だとかで答えるものだから、話は長く続かない。
だが、ただ一度、
「そうか、十六か。じゃあ高校はイタチと同じところか?」
と悪気なく訊ねられたときだけ、サスケが僅かに体を固くしたのが隣のおれにだけ伝わった。
長くなるだろうと踏んでいた集まりは、案外早くに仕舞いとなった。まだ日が変わるまで一時間ほどを残している。
酒の入った赤ら顔の男たちが去って行くと、マダラは卓を片付けさせ、改めて熱燗を運ばせた。
「サスケ、とかいったな」
マダラが手酌で酒を注ぐ。
サスケが無言で視線をやると、マダラは部屋の襖を顎でしゃくった。
「おれはイタチと話がある」
出ていけ、ということだろう。
サスケは夕飯以来はじめておれに答えを求めるような仕草を見せた。
窺う目に頷いて返す。
「先に寝ておけ」
「…だが」
「朝、早かっただろう」
そういうことじゃない。
そう言いたげなサスケの揺れる眸に気付かない振りをする。
サスケ、と促すと、不承不承サスケは立ち上がった。
襖が閉じられ足音が遠ざかってしばらく、
「口がへの字だったな」
マダラの言う通りだった。
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とりあえず新展開。話ってなんだろう…。
サスケは一族に関しては、常々蚊帳の外に置かれてる感じがするですよ。
ところで「お風呂場のふたり」有難うございました!本番はがんばる!でも絶対途中で振る!倍返しだ!
それにしても元旦までに108終わるのかたいへん不安。まだ仕事が続くよ何処までも。31日怒涛の更新を見せてみせる…!